雇用危機の高まりでFRBは「連続利下げ」が不可避となる
「時間をかけて」利下げを進めていく方針を示したパウエル議長だが、実際には「時間をかけられる可能性」が低くなりつつある(写真:ブルームバーグ)
9月18日のアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)は50bp(ベーシスポイント)の大幅利下げを決定した。ジェローム・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は「インフレ沈静化を辛抱強く待ったことで、強力でいいスタートが切れた」と説明しつつ、今後は中立化に向けて「時間をかけて」利下げを進めていく方針を強調した。 ただし、パウエル議長の説明に基づけば、大幅利下げのハードルは高い。公表された見通しでも、2024年末までの追加利下げ幅(累積)を25bp以下と予想しているFOMC参加者は19名中8名にのぼる。 次の一手(11月7日)は「様子見または25bp」の2択となりそうだが、考察を進めると、そうはならない。以下、理由を説明しよう。
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小野 亮