エルメス・バーキンの「偽物」を見分ける方法。20年の経験をもつヴィンテージ高級品専門家が明かす(海外)
ジッパーのプル
偽造犯が得意ではない点として、ジッパーのプル(引き手)を挙げることができる。何らかの理由から、偽造犯はプルを精密に模造するために時間や労力を費やそうとしない。 エルメスのバーキンやケリーのジッパー・プルはとても特徴的だ。 この投稿をInstagramで見る Purse Purveyor(@pursepurveyor)がシェアした投稿 偽商品のなかには、ジッパー・プルに「Hermès」の刻印がされているものもあるが、それらのほとんどは文字の角同士が触れるなどして、不格好に見える。 本物のエルメスではそのようなことはなく、ジッパーにクリーンな文字が刻まれている。
ジッパーのストップ
ジッパーのストップ(終わり部分)は「H」の形をしている。以前は普通のストップが使われていたのだが、2000年代前半からHの形が導入された。 本物と偽物を比べると、本物のHがとても特徴的であることがわかる。偽物のHは太かったり、細かったり、縦に長かったりする。 偽物をつくる人は、ジッパー・ストップのような細部を見落とすことが多く、専門家はそうした点に注目して、本物と偽物を区別する。
フォント
偽造犯は、フォントも完璧にはまねできないようだ。具体的には製品に刻印する方法がまねできない。 専門家は何年もバッグのフォントを見続け、どのような違いがあるのかを知っているので、本物と偽物を見分けられる。 たとえば、バッグに刻印されたフォントの箔が緑がかっているときは偽物だ。何かがおかしいことを告げる明らかなサインだと言える。
におい
エルメスのバーキンを所有している人は、革が扱い次第によって香水のような香りを発散することを知っている。 バッグのにおいを嗅いでみて、まるでブーツ店に入ったかのような、いかにも革らしい重いにおいがした場合は、警戒したほうがいい。 エルメスは、そのようなにおいがしない。においがとても革っぽい場合は、偽物と考えて間違いないだろう。また、化学薬品のようなにおいがするなら、偽物である可能性がさらに高くなる。 私自身、鑑定するときにはバッグのにおいを嗅ぐようにしている。みっともない姿をさらすことになるが、においだけで見分けがつくこともあるからだ。
Aditi Bharade