電撃譲渡!なぜビッグクラブの鹿島を日本製鉄は身売りしメルカリが買収したのか?
ホームタウンを茨城県鹿嶋市、神栖市、潮来市、行方市、鉾田市で、ホームスタジアムを県立カシマサッカースタジアムと現状を維持することを承認。さまざまな地域貢献活動へも取り組むことも継続することで、筆頭株主となることを承認されたメルカリにとってのメリットは何なのか。 黎明期からアントラーズファンでもある、小泉社長は3つのポイントをあげる。 「まずは顧客層の拡大です。まだまだメルカリのことを知らない方、もしくしは知っていても利用されていない方が多いと思うので、アントラーズと一緒に私たちの顧客層を、そしてアントラーズのファンやサポーターを拡大させていきたい。 次はブランド力の向上です。創業から6年半という若い会社であるので、長くJリーグをけん引してきたアントラーズのブランドとともに、私たちの会社のブランドも引きあげていきたい。 最後はビジネス機会の創出です。これだけ流れの速いJリーグの変革時期において、ビジネスにおいてもまだまだ多くのことができるのではないか。さまざまなテクノロジーや、私たちがこれまで培ってきたノウハウを生かして、新たなビジネスを創出できると考えております」 おりしも今月25日に、メルカリは2019年6月期の連結業績予想で純損益が137億円の赤字にある見通しであることを発表している。譲渡の手続きがすべて終わる8月30日後に発足する予定の新経営体制で、鹿島アントラーズ・エフ・シーの代表取締役社長に就く予定の小泉氏は心配無用を強調した。 「メルカリはいま、3つの事業を展開しています。日本事業(フリマアプリ)はかなりの黒字です。この黒字をアメリカの事業(US版メルカリ)と、モバイルペイメントの新規事業(スマホ決済サービスのメルペイ)に投資している状況です。赤字という断面的な情報を見るだけではなく、すべてのバランスを見ながら事業を成長・成功させることが重要だと考えています」 地域に密着。チーム作りに関して独自の哲学を貫きながら常勝軍団を作り上げてきた体制にこれからも最大限のリスペクトを払っていく方針を固めている。著名なスター選手を次々と獲得している三木谷浩史氏がオーナーを務めるヴィッセル神戸に補強面で対抗していくのか、と問われた小泉社長は即座に否定している。 「強化についてはアントラーズのフィロソフィーを、育成ならびにこれまでアントラーズが大事にしてきた考え方を重視していくべきだと考えているので、大きな補強については現状、考えていません」 歴史と伝統を尊重しながら残し、新機軸を打ち出しながら事業面や収益面で大胆かつ斬新な改革を断行していく。連覇がかかるACLを含めて、存在する4つのタイトルをすべて制覇する究極の目標へ向けて、常勝軍団が新たな経営体制のもとでさらに雄々しく生まれ変わろうとしている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)