「“反対されるもの”にしか興味がない」賀来賢人が俳優・作り手として見据えるビジョン
挑戦を支える信念と今後目指す展望
──でもそうやって企画を進めていく中では誰かに反対されたり、心が折れたり、打ちのめされることってありますよね。そういうときはどう乗り切っていますか? 僕、人に「反対される」方が嬉しいんですよ。反対されるって良いサインだと思っていて、なぜならその理由が「誰もやってないことだから」だったりするわけです。僕としてはそこにしか興味がないんですよ(笑)。人が怖がったりとか、やめた方がいいよと言うものにこそチャンスがある気がしていますね。 ──なるほど。自分の中で信念を持っていれば逆に燃える、という感じでしょうか? そうですね、自分で作品を作るとなったら、やっぱり自分が面白いと思うものを作りたいので。もちろん、いいフィードバックをもらったらそこは受け止めますけど、基本的には直感を信じてるところが多いですね。今のところはまだ若いし、直感で全部やってみようかと。失敗しても別に死ぬことはないし、という(笑)。 ──『忍びの家』は「週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)」で世界1位となったことでも話題となりました。あのランク入りは作っていた時から狙っていたんですか? 狙ってました。ただ、公開されてランク入りするまではずっとゲロ吐きそうでしたけど(笑)。 ──やはりそこはプレッシャーが凄かったわけですね。 自分たちは狙ってますけど、実際どうやったらウケるかとかは蓋を開けるまでわからないわけです。もう、こうなってくるとギャンブルですよね、今回も涼真君と「この作品がどのくらいヒットするか」という話は何度もしてましたね。「当たりますよね?」「大丈夫、きっと当たる」という会話を何度もして。僕ももちろんですけど、涼真君の場合は「作品を背負う」立場にいますから、配信前とかはすごくソワソワしてるんだろうなあ……と思ってます。 ──この『龍が如く ~Beyond the Game~』のサンディエゴ・コミコンでのキャスト発表会見のときも英語でインタビューに対応されていましたが、今後は海外への展開や対応もしていきたいという気持ちは強いですか? そうですね。この作品もそうですけど、今すごく良い作用が起きているなというのを感じていて。何か「引き寄せる」じゃないですけど、英語を使ったお仕事も今後増えていけばいいなと。ただ、どうしても自分の言語ではないので、挑戦にはなりますよね。今、時代もグローバルになってきているし……それこそ真田広之さんの活躍とかを見て感動したんですよね。海外にいる日本人俳優として、本当に凄いことをやられているなと。これは希望ですし、「続けよ、お前ら!」って言われているように勝手に思っていまして(笑)。だから正直なところ、今後はそういう方面の活動に全振りしたいくらいに思ってます、今。 ──『龍が如く ~Beyond the Game~』も世界配信ですし、また状況が変わりそうですね。 そうなんですよ。自分の言語で戦えるというのが配信作品の良さですから。それと同時に海外制作のものとかも経験してみたいという思いもあるので、今頑張ってます。 ──賀来さんとしては今、日々の生活やお仕事の中で“楽しい”と思う瞬間はどんなときですか? 今ですか? ほどよく仕事して、ほどよく家で子供と遊び、というのが一番いい感じですかね。 ──ワークライフバランスがとれている、的な? そうですね。なんか仕事に全振りはあまりしたくなくて。ほどよくバランスをとって……将来いい暮らしができれば、と(笑)。いやそれこそ、海外に住んでみたりしたいなとも思ったりしますしね。だから今自分がやり残していることはなんだろう、みたいなことを最近はよく考えます。 ──『忍びの家』の監督のデイヴ・ボイル氏と映像制作会社も立ち上げられましたが、海外の方とそういう形で組んで活動されるのはいろいろと面白そうですね。 本当に視点が違うんですよ。かつ彼は日本のことをとてもよくわかってくれているし、それでいて紹介してくれる人が面白い。そんな毎日を送っています。