バイデン氏「USスチールは誇り高き米企業であり続ける」 買収阻止
バイデン米大統領は3日、日本製鉄によるUSスチール買収を阻止すると発表した。日米鉄鋼大手による大型再編計画は破談の見通しとなった。バイデン氏が発表した声明は以下の通り。 【図解】世界の主要鉄鋼メーカーの粗鋼生産量 何度も言っているように鉄鋼生産は我が国の基幹産業だ。国内で所有・運営される強い鉄鋼業は、国家安全保障上、不可欠で、強靱(きょうじん)な供給網(サプライチェーン)にとって極めて重要だ。なぜなら、鉄鋼はインフラ、自動車、防衛産業など、我が国の原動力となっているからだ。国内の鉄鋼生産、国内の鉄鋼労働者なしには、我が国の強さや安全性は低下してしまう。 あまりにも長い間、米国の鉄鋼会社は不公正な貿易慣行に直面してきた。外国企業が世界の市場に鉄鋼を不当廉売(ダンピング)し、米国内の雇用喪失や工場閉鎖につながった。私は中国から輸入する鉄鋼への関税を3倍に引き上げ、米国の鉄鋼生産者との競争条件を公平にする断固たる行動をとってきた。製造業への記録的な投資により、私が大統領に就任して以来、100以上の製鉄所が新たに操業を開始し、米国企業は世界で最もクリーンな鉄鋼を生産している。現在、国内の鉄鋼業はここ数年で最も力強くなっている。 米国を代表する企業に国益のための戦いを主導し続けてもらう必要がある。国家安全保障と通商の専門家による委員会が決定したように、この買収は米国最大の鉄鋼メーカーの一つを外国の支配下に置くもので、米国の国家安全保障とサプライチェーンにリスクをもたらす。 だからこそ、私はこの取引を阻止するための行動を起こす。国内で所有・運営される強力な鉄鋼業を維持することは、大統領としての私の責任だ。それは我が国の力の源泉となり続ける。この重要な米国企業が外国に所有されるのを阻止するのは、その責任を果たすことである。USスチールは世界最高の誇り高き米国企業であり続けるだろう。それは米国によって所有・運営され、米国の鉄鋼労働組合員が働く企業なのだ。 本日の措置は、米国の国家安全保障を守るため、大統領として発動できるあらゆる権限を活用する揺るぎない約束を反映したものだ。米国企業が、国家安全保障にとって重要な分野で中心的な役割を果たし続けることも保障する。かねて明言しているように、この国とインフラの安全、そして強靱なサプライチェーンを守るため、私はためらうことなく行動する。