ガンバ遠藤保仁コーチがもたらす2つの効果。倉田秋は実感「空気感は去年とは違う」
指導者講習会に参加し、C級ライセンス取得
そうしたプレー面もそうだが、メンタル面での効果を歓迎するのは、2014年の国内三冠を一緒に経験した倉田秋だ。35歳になる倉田だが、10番を背負って心身両面でチームを支える存在。昨シーズンに関しては、チームは一体感を欠くことが多々あったという。そこをしっかり作っていきたいという倉田は、遠藤コーチのもたらす影響を人一倍、感じているかもしれない。 「ヤットさんが見てくれているだけで、緊張すると言っている選手だったり、そういう空気感は去年とは違う」 中盤から前線にパスを送り込む一人でもある倉田は、「人には無い見方というのがヤットさんはできると思うし、それをしっかり伝えてくれると思う」と語り、そうしたアドバイスにも期待を寄せる。遠藤コーチは43歳といっても現役を引退したばかりで、熊本の指導者講習会に1週間参加して、C級ライセンスを取得したのが昨年の暮れだ。 日本代表のロールモデルコーチではないが、選手とコーチングスタッフの両方と向き合いながら、指導者として学んでいく立場に過ぎない。それでも強かった時のガンバを知るというより、そのガンバを作ったレジェンドの一人であり、現役に限りなく近い感覚と目を持ち合わせている遠藤コーチの存在は、ガンバが強さを取り戻すことに大きく寄与するはず。 ここから遠藤コーチがどういう指導者のステップを踏んでいくかは楽しみだが、今シーズンのガンバを陰から支える存在としての効果を期待して見ていきたい。 取材・文●河治良幸