ウォルマート創業者の長男、資産1000億ドル超えの「センチビリオネア」に
ウォルマートの創業者であるサム・ウォルトンの長男の保有資産が、1000億ドル(約14兆5000億円)を突破した。1992年に死去したサム・ウォルトンの長男であるロブ・ウォルトンの資産は、ウォルマートの株価が史上最高値を記録する中、推定1000億ドルを突破し、米国で最も裕福な家族の一員として初めて12桁に達した。 米国の消費者は、高いインフレから逃れるためにウォルマートの店舗に押し寄せている。これを受け、同社の株価は年初から54%上昇し、79歳のロブ・ウォルトンを世界で16番目に裕福な人物に押し上げ、弟のジム・ウォルトン(76)と妹のアリス・ウォルトン(74)よりも上位にランクさせた。米東部時間9月25日午前9時30分の時点でこの2人の資産は、それぞれ988億ドルと913億ドルと推定されている。 ロブ・ウォルトンは、世界で最も裕福な人物であるイーロン・マスク(保有資産2655億ドル)やフランスのラグジュアリー分野の大富豪であるベルナール・アルノー(同1755億ドル)、エヌビディアの共同創業者のジェンスン・フアン(同1067億ドル)などと並ぶ、センチビリオネア(資産が1000億ドルを超える富豪)の仲間入りを果たした。2021年には、12桁の資産を持つ富豪は、4人しかおらず、その前年はジェフ・ベゾスのみだった。 ロブ・ウォルトンは1962年に父親がアーカンソー州ロジャースに初のウォルマートの店舗を開店したときに17歳だった。1966年にアーカンソー大学を卒業した彼は、コロンビア大学の法科大学院に進学し、1970年にウォルマートを上場させる手助けをしたタルサにある法律事務所に参加した。ロブ・ウォルトンはその後、1978年にウォルマートに入社し、4年後に副会長に任命された。1992年に父が亡くなった際に彼は会長に就任した。 ■弟と妹も資産1000億ドル超えの可能性 ロブ・ウォルトンは、40年以上にわたりウォルマートに勤務した後の2023年6月に取締役会から退任した。彼を含むサム・ウォルトンの相続人たちは、過去10年間で280億ドル(約4兆円)以上のウォルマート株を売却し、110億ドル以上の同社株を寄付しているにもかかわらず、アーカンソー州ベントンビルに本社を置く同社の発行株式の45%を依然として保有している。これは、大規模な自社株買いが家族の持分の希薄化を防いだからだ。 フォーブスの推計によれば、家族の株式の4分の3はロブ、ジム、アリス・ウォルトンの家族間でほぼ均等に分けられており、残りのほとんどは彼らの兄弟のジョン・ウォルトン(2005年死去)の相続人に属している。ジョンの未亡人のクリスティー・ウォルトン(75歳)と息子ルーカス・ウォルトン(37歳)の資産はそれぞれ170億ドルと351億ドルと推定されている。 アリス・ウォルトンは、芸術のキュレーションや慈善活動に人生を捧げている一方で、ジム・ウォルトンは2016年に息子のスチュアート・ウォルトンにウォルマートの取締役の席を譲ったが、一族が経営するアーベスト銀行の会長を務めている。ウォルマートの株価が上昇する中、ジムとアリスも、センチビリオネアに加わる可能性がある。
Matt Durot