コメダさん、やってくれたな!星乃珈琲店と比べてわかった「サンドイッチ」の決定的な違い
《当時ちょうど団塊世代が現役を引退し始め、時間にゆとりが生まれていました。しかし、ゆったり過ごせる喫茶店が意外に少なかった。それで、モーニングが充実していて、こだわりのコーヒーを提供するフルサービスの喫茶業態を狙ってみました》 (2017年10月1日・日経トップリーダー) 《専門の調査会社の資料を見ると、いわゆる昔ながらの「喫茶店」は、ドトールやコンビニのコーヒーサービスに客を奪われているが、お客さま1人当たりのスペースを広く取り高級ソファでくつろげる「ルノアール」や、ログハウス調の店内でトーストとゆで卵の“名古屋式モーニング“を楽しめる「コメダ珈琲店」などは健闘しているという》 (ダイヤモンド・オンライン『ドトール統合、星乃珈琲店立ち上げ、日レス大林会長が描くブランド革新』2018年5月21日) どうやら、星乃は創業以前からコメダのデータを目にしていたようだ。そうした経緯から、例えば、こんな印象を持つ有識者も出てくる。 《でも、こうした店内の雰囲気は、どこかで見た気がする。実は、星乃珈琲店とミヤマ珈琲のお手本は、名古屋を本拠地とするコメダ珈琲店だ》 (2014年12月1日、高井尚之氏『昭和レトロな喫茶店がなぜ、続々復活中なのか?』プレジデント)
● 星乃珈琲店「1つ秘密を明かせば…」 星乃珈琲店は、コメダ同様にモーニングサービスを実施していて、朝の時間帯は、ドリンクにサービスでトーストとゆで玉子がつく。先のダイヤモンドのインタビュー記事の中でも、大林会長はこう述べている。 《1つ秘密を明かせば、メニューは約4、5パターンあり、さまざまな仕掛けが盛り込まれている。売上データを分析していくと、「定番」として提供しなければならないメニューはおのずと浮かび上がってくる。一方、「これはどうかな」という新メニューを必ず盛り込んでいる》 《いわば「正統と変わり種」で、常に変わり種を仕掛けてお客さまの反応を見ていると、次なるヒットメニューやお客さまの嗜好(しこう)の変化などがつかまえられるようになるのだ》 こうしたメニューの特徴は、コメダ珈琲店にも当てはまるものだ。白い縦長のコーヒーカップも、コーヒーカップに書かれた文字の色(青)もよく似ている。 このように星乃珈琲店は、コメダ珈琲店を意識してつくられているのは間違いないが、その違いは何であろうか。細かな違いから両者の戦略の大きな違いが見えてくる。