7&iHD、海外コンビニ事業はデリバリーサービスの拡大に取り組む
(ブルームバーグ): セブン&アイ・ホールディングス(7&iHD)は23日、投資家向け説明会「IRデー」を開催し、海外コンビニエンスストア事業の成長に向けてデリバリーサービスの拡大などに取り組むと説明した。同社がIRデーを開催するのは昨年10月に続いて2度目。
海外CVS事業統括のジョセフ・マイケル・デピント氏は、戦略的な取り組みとして、スマートフォンなどで利用できるデリバリーサービス「7NOW(セブンナウ)」などの強化を優先事項の一つとして挙げた。2018年に開始した同サービスの店舗への拡大を継続し、25年には、23年の実績比で約7割増となる10億ドル(約1550億円)の売り上げを目標にする。
このほか海外事業の取り組みとして、オリジナル商品の強化や、21年に買収したスピードウェイの統合によるシナジー創出、買収・合併(M&A)を利用した店舗網の拡大も目指していく計画を説明した。
デピント氏は、細分化されている米国のコンビニ業界は統合がますます進むとしたうえで、M&Aによりマーケットシェアを伸ばす機会があると述べた。同社は1月、米スノコから、テキサス州などで運営されている204店舗のコンビニ事業やガソリン小売事業などを1370億円で取得すると発表した。
デピント氏は、北米のM&Aにおける「投下資本利益率(ROIC)は12%を目指す。これまでの主な買収案件では14%となっている」と述べた。M&Aについては「今後もアクティブに続ける」と話した。
7&iHDはスピードウェイを買収するなど、グローバルでコンビニ事業を強化している。物言う株主の米投資会社バリューアクト・キャピタル・マネジメントがコンビニ事業に集中すべきだと主張する中、昨年9月にはそごう・西武百貨店事業の売却を完了した。今月10日には、子会社のイトーヨーカ堂を中心とするスーパー事業の新規株式公開(IPO)実現に向けた検討を開始すると発表した。
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Akemi Terukina