39歳の会社員、友人に「40歳になると手取りが減る」と言われました。現在の年収は「450万円」なのですが、いくら減りますか? 収入を増やせば手取りは変わらないでしょうか?
収入を増やせば手取り金額は減らない?
「月額3000円程度の負担が増えるなら、その分稼げば今までと同程度の手取り金額を維持できる」と考える人もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。というのも社会保険料率は実際の収入金額ではなく報酬月額の範囲によって定められる標準報酬月額をもとに計算され、累進課税によって報酬が上がると税負担も増えるからです。 例えば、報酬月額が39万5000円になると「手取り金額=額面金額×75%」の場合は29万6250円となり、見た目の可処分所得は増加します。ただし、社会保険料は標準報酬月額41万円として計算され、介護保険料を含む健康保険料は2万3739円、厚生年金保険料は3万7515円となり、折半合計金額は6万円を超えます。 もちろん、「報酬規模が上がると社会保険料の負担が増えるから損」というわけではありません。例えば、厚生年金保険は加入期間と納付する保険料によって将来受け取る年金額が変わります。納付する保険料が多くなるほど老齢厚生年金額に反映されるため、保険料を多く支払うのは無駄ではありません。 とはいえ、手取り金額は日々の生活に直結するといっても過言ではないため、「同一標準報酬月額の範囲内で報酬月額を最大化させ、社会保険料の負担感を抑える」のも1つの考え方です。 例えば、標準報酬月額38万円は「37万円から39万5000円未満」の人が対象です。そのため、現在37万5000円だと39万4999円に近づけるほど手取り金額の減少を抑えられる計算となります。
まとめ
本記事では、40歳になると介護保険料の徴収が始まるため、手取り金額が減少するケースが多いことを解説しました。 社会保険料の標準報酬月額は実際の収入金額との間に大きな差が出ないようにするため、原則4月から6月の3ヶ月間の報酬内容をもとに毎年見直されます。そのため、残業などで一時的に収入が増えて標準報酬月額の区分が変わると総合的に損する可能性もあるので注意してください。 出典 全国健康保険協会(協会けんぽ) 協会けんぽの介護保険料率について 全国健康保険協会(協会けんぽ) 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都) 日本年金機構 定時決定(算定基礎届) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部