大阪に「ほんまもんの緑」を...なぜ"関西最後の一等地"が芝生の公園に?専門家は管理コストの課題を指摘...でも可能性は未知数!?【グラングリーン大阪】
ただ、一筋縄ではいきませんでした。経済界からは、「経済効果を追求すべき」との声が上がります。2009年には、平松市長(当時)がサッカーW杯誘致のため、駅前のサッカースタジアム建設構想に賛同。緑地化計画は風前の灯火となります。 風向きが変わったのは2011年。緑地化推進のきっかけとなった出来事が2つありました。 ▼東日本大震災 大阪駅周辺の防災拠点として“公園”が見直された。マンホールを利用した緊急のお手洗い“マンホールトイレ”の取り組みなど、『グラングリーン大阪』も防災拠点として考えられている。 ▼橋下市長の誕生 橋下市長(当時)が緑地化に賛同。ニューヨークに倣った“大阪セントラルパーク”という言葉も。
“緑”はうれしいけれど…利益は出る?
緑いっぱいの『グラングリーン大阪』は本当に成功するのでしょうか。“緑”は利益を生むのでしょうか。 りそな総研の荒木秀之主席研究員は、都市公園は成功するかとの問いに「まだわからない」と回答。「短期的にはお金を生むどころかコストがかかる」と指摘しています。清掃・セキュリティー・植栽維持など、管理コスト面で課題があるようです。現状は、「一等地で商売をする代わりに管理もお願いします」という形で、出店者・デベロッパーに管理をお願いしているとのこと。 ただ、長期的・広域的に考えると、周辺(福島など)の地価の上昇、インバウンド客の増加、外資の誘致などが期待できるため、「勝負はこれから!」と言えそうです。
ちなみに、『グラングリーン大阪』開発にあたって、外国の例を参考にしたそうです。都市公園が、地価や“街の格”を上げた例は次のとおり。 ▼シンガポール 開発にあたって、先に公園を整備、その後に街をつくるのがシンガポール流。 ▼韓国(チョンゲチョン) 耐久性に問題のあった高架の道路を壊し、昔あった川を復活させて緑地化。その結果、雰囲気が良くなり人が集まるように。 ▼ボストン(ローズ・ケネディ・グリーンウェイ) 高速道路を地下に移して、その上を全て公園にした結果、人気の場所となり、周辺の地価も上昇。 2027年に全面開業する『グラングリーン大阪』。果たして成功するのでしょうか。 (2024年9月3日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)