ゴジラ戦略部隊も発足 日本”最強”コンテンツ 「ゴジラ」が70年愛されるわけ【WBS NEXT】
1954年に生まれたゴジラ。現在、最新作「ゴジラ-1.0」が公開中ですが、70年にわたって世界中で愛されるコンテンツはどのように作られているのでしょうか。 東京・台東区にある若者に人気の銭湯「三ノ輪 改栄湯」。 「こちら『ゴジラ-1.0』のポスターが貼ってありますが、隣を見てみますと、Gではなく銭湯だけに『湯』になっています」(田中瞳キャスター) 映画の「ゴジラ-1.0」公開に合わせて、ゴジラが全国のおよそ250軒の銭湯とコラボ。手ぬぐいや、キーホルダーを販売していましたが、「三ノ輪 改栄湯」の翁洋平店主によれば「すでに完売してしまった。想定以上の売れ行きでゴジラの人気ぶりに驚いている」といいます。 70年愛され続けるために欠かせないこうした取り組み。その司令塔が、ゴジラの権利を100%持つ東宝です。 「若い人向けのブランドとコラボレーションを狙っていきたい」 デストロイアという会議室で行われていたのが、東宝が4年前に発足したゴジラ戦略部隊「ゴジラルーム」。メンバーは過去に映画のプロデューサーや助監督を務めた社員や新人社員13人で構成。企業とのタイアップ案件などを企画しています。
「ゴジラは大切なビジネスパートナー。映画は毎年公開できるものではないのでタッチポイントを増やしていくことが大切」(「東宝」ゴジラルーム長の吉川哲矢さん)
世界市場に挑むゴジラ
その東宝にとって、今、最大の目標が海外市場です。現在、世界の映画などのコンテンツ市場で日本の存在感が低下しています。東宝は、ゴジラで世界市場に挑みます。 12月1日、全米で「ゴジラ-1.0」が公開されました。ニューヨークの映画館で観賞した人は「ハリウッドはゴジラで日本に勝てない」「我々にとって敗戦直後の日本は難しいテーマだが、予想をはるかに超える出来だった」と話すなど、好評です。 思わぬ追い風も吹いています。今年ハリウッドで起きたAIに反発するデモの影響で、大作映画の公開は軒並み延期に。映画が不足する中、日本の実写映画では異例の規模となる全米2000館以上での上映につながったのです。 海外市場を意識することで、国産ゴジラの姿は今後変わってしまうのでしょうか。 「海外を見てはいけない気がする。海外の人はそんなものは求めてないと思う。もっとエキゾチックで、変わったもの。今まで見たことないものを見たいのではないか。ドメスティックを極めることが大事。国内で本当に面白いものを作れば可能性は広がる」(「ゴジラ-1.0」の監督・脚本・VFXを手がけた山崎貴さん) ※ワールドビジネスサテライト