「アーバンスポーツ」で街を熱く…北九州市で「パルクール」世界選手権、熊本県菊陽町は専用施設整備
若年層の流出や人口減に悩む同市。市スポーツ振興課の大下義邦・スポーツイベント担当課長は「アーバンスポーツを通じて若者が集まる活気あふれる街になれば」と期待を寄せる。
西日本最大級の整備計画
施設の整備も進む。NPO法人「日本スケートパーク協会」によると、スケボーやBMXを楽しめる公共の都市型スポーツ施設は、スケボーの五輪競技採用が決まった直後の17年は全国で100か所だったが、24年5月時点では5倍近い475か所に上っている。
21年4月に茨城県笠間市にオープンした「ムラサキパークかさま」は、スケート広場(約5000平方メートル)などを備え、開園から約3年で来場者は5万人を突破。体験スクールも開かれるなどしており、同市の担当者は「来場者の多くは県外からで、経済効果も生まれている」と話す。
熊本県菊陽町では、スケートボードやBMXなどができる西日本最大級のアーバンスポーツ施設(約1・5万平方メートル)の整備計画が進んでいる。TSMC進出に伴って人口増が続く中、新たなにぎわいの拠点として26年度のオープンを目指している。
若者の関係人口の増加につながる
スポーツによるまちづくりに詳しい大阪体育大の原田宗彦学長の話「アーバンスポーツの普及は若者の関係人口の増加につながるため、魅力ある街づくりにもなりうる。行政はイベント開催や大会誘致で魅力を伝えるとともに、練習するための施設や空間の提供にも力を入れる必要がある」
◆パルクール=フランス生まれのアーバンスポーツ。今回の世界選手権では、同時開催のジュニアの世界選手権と合わせ、40か国以上から約150人の選手が出場予定。指定されたコースで障害物を跳び越えたり、登ったりしてゴールまでのタイムを競う「スピード」、宙返りなどのアクロバチックな演技を披露する「フリースタイル」の2種目が行われる。