「アーバンスポーツ」で街を熱く…北九州市で「パルクール」世界選手権、熊本県菊陽町は専用施設整備
ブレイキンやスケートボードといった若者に人気の「アーバンスポーツ」で街を盛り上げようとする動きが広がっている。アクロバチックな動きが魅力の「パルクール」の世界選手権が15日に開幕する北九州市では、体験できるイベントなどを相次いで開催。台湾積体電路製造(TSMC)が進出した熊本県菊陽町はアーバンスポーツ専用の大型施設整備に乗り出すなど施設も全国で急増している。(山崎祥太) 【写真】アーバンスポーツフェスティバルでブレイキンを披露する参加者(8月4日、北九州市小倉北区)
北九州市立永犬丸西小で5日に開かれたパルクールの体験教室。世界選手権に出場するメキシコのハビエル・ロドリゲス選手(29)が高さ約1メートルの台から後方宙返りをしながら、空中で体を1度ひねるコークスクリューを披露すると、6年生約30人は歓声を上げて拍手を送った。
教室は世界トップクラスの選手らを講師に迎え、児童らは障害物を乗り越えたり、壁を蹴ってジャンプしたりといった基本動作を体験した。児童の一人は「またやってみたい」と笑顔を見せた。
2022年の東京開催に次ぐ第2回となる今大会は北九州市の小倉城を背景にした特設会場で15~17日に開かれる。教室は、パルクールの魅力を伝えようと、同市が市内外の小学校11校で実施。期間中の16、17日には市役所前の通り約400メートルを歩行者天国にして、スケボーやブレイキンを体験できるイベントの開催も予定している。市の担当者は「地道な活動で市民の関心を高めていければ」と話す。
「聖地」を目指す
アーバンスポーツは、パルクールのほか、スケボーや自転車競技「BMX」などの街中で楽しめる都市型スポーツを指す。近年、五輪競技に選ばれたことなどから注目を集めている。
「アーバンスポーツの聖地」を目指す北九州市では昨年2月、国内初となるブレイキンの世界大会が開催され、パリ五輪でブレイキン4位の半井重幸選手(ダンサー名Shigekix)らトップ選手が出場し、2日間で約5000人が観戦。今年3月と8月には「アーバンスポーツフェスティバル」が開かれ、ブレイキンやBMXショーも行われた。同イベント開催に尽力した北九州ダンス協会の山本紗織会長(40)は「ダンスなどへの関心の高まりを感じる」と語る。