会議に集中できない…そんな人は「アクティブリスニング」を上達させるべし
アクティブリスニングを身につける4つの方法
アクティブリスニングは人によっては直感的で比較的簡単ですが、苦労する人もいます。 特に集中力に欠ける人には難しいかもしれません。アクティブリスニングという言葉を聞いたこともなく、何からはじめたらいいのかわからないという人にとっても大変でしょう。 まず心に留めておくべきなのは、アクティブリスニングはスキルであり、多くの人にとって学ぶとともに努力して身につける必要があるものだということです。 ここでは、出発点となるテクニックと例を4つご紹介します。 相手の発言に傾注する 相手との会話中にアクティブリスニングを実践するには、相手の発言に傾注することだとEventoff氏は言います。 先回りして返答の仕方を考えようとしてはいけません。重大な点を聞き逃すことになるかもしれないからです。 相手が考えを話し終えたら、答える前に一呼吸置いて、相手の言ったことを反芻する時間をとります。これは言うまでもないことですが、話を遮ってはいけません。 話を注意して聞き、自分の返答の番が来るまで待ちましょう。 たとえば、同僚が職場のプロジェクトに対する働きぶりを批判してきた場合、自己弁護のために話を遮ったり、批判点ひとつひとつに反論するためのリストを心の中で作り出したりしてはいけません。 そうではなく、相手の懸念事項に1つ1つ耳を傾け、そうした結論に至った経緯を注意深く聞きましょう。相手が話し終えたら、一呼吸おいて自分の考えをまとめ、そのうえで返答するのが良いでしょう。 非言語的な合図を送る 友好的でカジュアルな場面では、相手が話を聞いているということ、自分の話がおもしろいということを確認できる間投詞のような言葉が好きな人もいます。 「ありえない!」「ホントに!?」「ウソでしょ」といった表現です。しかし、これは決まりというより例外です。ほとんどの場合、自分の発言中は、Boscaljon氏が言うところの「話に没頭し集中していることによる沈黙」のほうが好ましいと感じることが多いのです。 その一方で、話をきちんと聞いているということを相手に知らせるためには何かする必要があります。うなずく、頭を少し傾ける、(適切な)アイコンタクトをとる、相手と同じ姿勢をとるなど、非言語的な合図を入れましょう。 ただし、Eventoff氏が指摘するように、こうした動作が「心からではなく予め用意したものだと、作為的に見えてしまうこともある」ため、自分にとって自然な振る舞いに徹します。 たとえば、直接会って「母親がガンになった」ということと、現時点でわかっていることやわからないことを話したいと友人に頼まれた場合、非言語的な合図を使って話を聞いているということを伝えるとともに、自分にできることを申し出ます。 話に飛びついて親戚が病気になった際の自分の経験を話そうと待ち構えたり、友人がこれから話そうとしていたことをいろいろと質問したりするのではなく、情報を共有してくれている最中はうなずき、適切だと感じたときにはアイコンタクトを取りましょう。 質問する 相手の話に興味があるということを伝えるだけでなく、具体的な質問をすることで積極的に耳を傾けているということを示すこともできます。 大まかな質問をすることも決して悪いことではありませんが、すでに相手が話したことに明確に触れるような質問であれば、話に注意を払い興味を持っているということがよりわかります。 Boscaljon氏が指摘するように、会話の展開は毎回異なるため、いつでも通用する決まった質問リストがあるわけではありません。 しかし、迷ったときにいつでも頼れるのは、相手が使った特定の言葉や用語についてどういう意味で言ったのかを尋ねたり、相手がとりあげた話題に関してもっと話すようにお願いしたりすることだといいます。 Boscaljon氏によると、状況や会話の種類によっては選択肢がもうひとつあります。最初に「どのような聞き方が一番助かるか」を尋ねてみるのです。 小さな質問をたくさんするのが有効となるタイプの分かち合いもある。 また、もっと深い質問をしたり言葉を見つけたりする時間を設けることで豊かになる会話もある。 話し手にどう合わせるかを最初に知っておくと、会話が進むにつれて聞き方に対する柔軟な姿勢をとることができる。 そうBoscaljon氏は語ります。 たとえば、パートナーが仕事で大変な一日を過ごして帰宅し、あきらかにそのことを話したいと思っているのであれば、注意を向けましょう(自分とは何の関係もないような内容を話していても傾注し続けます)。 それでも、会話の中で何か言ったほうがいい場面になったら、相手が直前に話したことに関する質問を投げかけます。たとえば、「このことは人事に相談するの?」「いつまでその人とチームで一緒に働かなきゃいけないの?」「上司はその人がどれだけサボっているか気づいてるの?」などです。 実践する 言うまでもなく、どんなスキルも実践が上達への一番の近道です。 ただし、仕事中や家族と深刻な話をするタイミングまで待つ必要はありません。たとえば、店員やウェイター、運転手など、1日の中で出会う人との短い会話でもできることだとBoscaljon氏は言います。