【大学野球】背番号18が追い求める勝利へのこだわり 下位低迷の名門・法大再建へチームの礎を築く篠木健太郎
チーム愛が強い大黒柱
【5月25日】東京六大学(神宮) 明大2-0法大(明大1勝) 法大は第6週の早大戦で連敗した時点で、2020年春以来のリーグ優勝が消滅していた。第7週、今春の最終カードの明大戦。相手は法大からの勝ち点(2勝先勝)奪取で、リーグ制覇の可能性が残っていた。法大としては、存在感を見せる格好の舞台。あくまでも東京六大学リーグ戦は「対抗戦勝負」であり、今季3つ目の勝ち点をどん欲に目指した。 【選手データ】篠木健太郎 プロフィール・寸評 先発オーダーには、4年生8人を並べた。今春から母校を指揮する法大・大島公一は試合前「法政としての意地、最上級生の意地を見せる場。今年は変革元年。勝ちたいという思い。この明大戦で一つのきっかけを作りたい」と意欲を語っていた。打撃練習前、大島監督は先発のエース・篠木健太郎(4年・木更津総合高)と三塁ベンチで約2分、話し込んだ。 「篠木はこれまで、3勝がシーズン最多なんです。秋につなげる意味でも、何としても、4勝目をつけさせたい。そんな思いでした」。大島監督は“親心”を吐露。指揮官の心を突き動かすほど、チーム愛が強い大黒柱である。 勝利への執念。篠木は1球ごとにマウンドで吠える。チームのために腕を振り、白星への思いが、体全体からにじみ出ている。しかし、4回裏と5回裏に、それぞれ1失点。7回表の第3打席では二塁内野安打の際に、一塁ベース上で相手野手と交錯した。「首をムチ打ち。そんな感じです」。一時、治療のため、ベンチへ下がったが、グラウンドへ戻ってきた。大島監督は「無理はさせられない」と最大限の配慮をした上で、本人の意志を最終確認。8回途中まで力投した。最後まで弱みを見せることはなかったが、チームは0対2で1回戦を落とした。篠木は敗戦投手である。 試合後の取材対応で、篠木は開口一番「状態が悪い中で、難しいマウンドだった。先制を許したことが、今日の負けのすべて」と明かした。法大は第5週の東大戦、第6週の早大戦、そして第7週の明大戦と3カード連続で組まれており、疲労はピークに達していた。 「きつくないと言えばウソになる。そんなことを言っているうちは、勝てない。自分は(疲れを)出さないようにしている」(篠木)