出所後の就労を見据え「介護エステ」の職業訓練 笠松刑務所
来年6月から、懲役刑と禁固刑が一体化され、新たに「拘禁刑」が導入されます。これを見据え、女性受刑者を収容する笠松刑務所では今年4月から美容ケアを高齢者に行う「介護エステ」の職業訓練を始めました。受刑者の出所後の就労につなげ再犯を防ぐ狙いがあります。 普段は人の目に触れることのない刑務所。8月上旬、笠松刑務所で20~60代の受刑者6人が職業訓練を始めました。 受刑者は真剣な眼差しでネイルや腕のマッサージの練習に励みます。 今年4月から笠松刑務所で始まった職業訓練の「介護エステ」。指導するのは介護施設などを運営するNPO法人「ひだまり創」古澤由加里理事長です。高齢者への触れ合い方や介護エステを伝え、出所後の就労につなげることが目的です。 ※NPO法人 古澤由加里理事長 「これをきっかけに高齢者への理解を深めて、介護を「おもしろいかも」と思って介護福祉士などの介護の道に進んでいただけたらうれしい。美容面でネイルやメイクアップをきっかけに、美容の道を極めて、自信を持って活躍できるように支援のきっかけになれればいいと思います」 古澤さんの指導を受ける受刑者は、半年間の訓練で介護エステケア協会認定の資格を取得することを目指します。
※受刑者 「社会に出てからも、介護の仕事を考えていまして、応募しました。早く社会に出て、この仕事をしたいと早くしたいです。一番やりたかった講座だったので、新しいことを学べるのは楽しくて幸せだと思っています」 犯罪白書によりますと、女性受刑者の8割以上が犯行時、定職に就いておらず無職者の再犯率は定職者の約3倍に上ります。 来年6月から導入される拘禁刑。懲役刑と禁固刑を一体化したもので受刑者には刑務作業を課さず、社会復帰を見据えた職業訓練や更生指導が重点的に行われます。 ※笠松刑務所 馬場崇総務部調査官 「拘禁刑に変わるにあたって、就労です。就労を整えて出所したものは2年以内の再入率が低い結果がでています。我々としても就労支援を重点的に行うとともに再犯防止していこうと考えています」 笠松刑務所で昨年、就職支援を受講した受刑者は48人でそのうち23人が出所前に企業から内定をもらいました。 同じ過ちを犯さないよう、刑務所の中ではひとりひとりにあった更生への道が進んでいます。