加古川署を出る勝田州彦容疑者＝２８日午前７時２９分、加古川市平岡町新在家

　兵庫県加古川市で２００７年、小学２年の女児＝当時（７）＝を刺殺したとして、殺人容疑で逮捕された勝田州彦（くにひこ）容疑者（４５）が、兵庫県警の任意聴取に「女の子の後を自転車で付いていって刺した」などと説明したことが、捜査関係者への取材で分かった。 【図解】事件直前の女児の行動 　勝田容疑者が「（工作用の）クラフトナイフで２回刺した。殺すつもりはなかった」と供述していたことも判明。一方、逮捕後の調べでは「黙秘します」と話しており、県警加古川署捜査本部は、容疑者が話した事件前後の行動について慎重に裏付けを進める。 　捜査本部によると、勝田容疑者は０７年１０月１６日午後６時ごろ、加古川市別府町で、自転車で帰宅した女児の胸と腹をナイフで刺して殺害した疑いが持たれている。勝田容疑者は当時、同市内に住んでおり、自宅と現場の女児宅との直線距離は約４キロだった。 　捜査関係者によると、勝田容疑者は逮捕前の任意の調べに「自転車に乗っているときに女児を見つけ、付いていった」と説明。女児が自転車を置くために自宅裏手に回り、戻ってきて玄関に入ろうとするところで「ちょっといい」と声をかけて刺した疑いがあるという。 　捜査本部は、勝田容疑者が薄い片刃のクラフトナイフを使用したとみており、女児の傷とも矛盾がないとする。任意聴取での供述内容などから、ナイフを持ったまま自転車で現場から立ち去った可能性が高いとして、事件当時の状況などを改めて確認する。 　県警は、０６年９月２８日にたつの市の路上で小学４年の女児＝当時（９）＝を刃物で刺したとして、今月７日に殺人未遂容疑で勝田容疑者を逮捕。２７日に加古川市の事件についても殺人容疑で逮捕した。