<日笠陽子×上坂すみれ>「SHAMAN KING FLOWERS」 収録でぶつかった壁 喉と命を削って全力で
日笠さん 「SHAMAN KING」の最終回で花を演じることが急に決まったので、どういう子に育っていくのか?をまず見ておかないといけないので、急いで「FLOWERS」を読みました。「FLOWERS」は、武井先生の描き方の妙みたいなものが、より技巧的になっている印象で、花は葉とは大分違います。後半から重要な新キャラクターが登場するのですが、そのあたりから、武井先生が伝えようとしていることが何層にもミルフィーユ状になっているようにも感じ、私の力では、ちょっと分からなくなったところもありました。何回も読んだんですけど、ずっと分からないところがあったんです。アニメの最終回で台本を読んだ時も同じ気持ちだったんですけど、現場に行って、花になり、しゃべった瞬間に、何かを理解したんです。こういうことだったんだ……と不思議な体験をしました。武井先生が伝えたいことは、いろいろなものに隠されていて、真意を直接描いているわけではないので、何かと何かがつながった時、突然理解するみたいなものがあるのでしょうね。
--理解したこととは?
日笠さん 監督の力も大きかったと思います。花の成長物語なのですが、花は戦う理由など何も分からないまま、がむしゃらにずっと戦っている。花はアンナに愛され、葉に愛され、葉はアンナを愛している。花は、アルミにも愛されています。自分に足りないものが、愛であると気付く。いつも愛をもらっていたのに、気付けないふりをしてきた中で、それに気付く物語だったんだなって。花はがさつなので、そういうストーリーには見えないんですけど、そこを踏まえてもう一度読むと、武井先生が込めた愛を感じます。
--上坂さんは「SHAMAN KING」の思い出は?
上坂さん 最初に読んだ時は9、10歳の頃で、週刊マンガ誌を買う家庭ではなかったので、コミックスで読んでいました。リアルタイムで連載しているマンガで、初めてお小遣いで集めたマンガだったんです。武井先生は小ネタやパロディーもあって、子供に向けて書いている感じではないところが格好よく感じていました。大人になって読むと気付くこともありますが、子供の頃、分からなくても読み進めていたのは、勢いがあるからなんですね。