<日笠陽子×上坂すみれ>「SHAMAN KING FLOWERS」 収録でぶつかった壁 喉と命を削って全力で
--壁とは?
日笠さん 「FLOWERS」には、葉も出てくるんです。葉と会話しなくてはいけない。やっとつかんだ花を手放すのが怖くなってしまい、葉に全然ならなくなってしまって……。花の気持ちになっているから、親父が出てきて最悪!みたいな気持ちになっていたんです。それが自分ですごくショックでした。あんなに一年間一生懸命向き合い、大切にしてきた葉に対して、そう思ってしまうことがショックで、心が二つあるような状態になってしまい、もう滅茶苦茶な気持ちでした。花がどっかに行ってしまうのでは?という恐怖と戦い、捨てきれなくて、葉からも逃げてしまい……。音響監督さんに「アンナの収録があるから、その時に一緒にやろう」と言っていただき、その時にようやく葉になれる感覚がありました。林原さん(アンナ役の林原めぐみさん)に、「1000回練習してきなさい!」と愛のあるおしかりを受けまして。林原さんとお会いできて、アンナと会えたことが、転機となった瞬間でした。
--1000回練習した?
日笠さん 1000回はできなかったんです。100回くらいですね(笑い)。「SHAMAN KING」のメンバーがいると、スッと葉になれるというのは、あると思います。「FLOWERS」の収録の後、「SHAMAN KING」のアニメ以外の収録があって、その時は何の抵抗もなく葉になれたので、周りの人たちの影響を受けやすいタイプなんだな……と思いました。
◇上坂すみれがEDテーマに込めた思い
--「SHAMAN KING」は約1年にわたって放送されました。
日笠さん 1年以上に感じましたね。オーディションに受かった時、うれしい気持ちもあったのですが、不安な気持ちが勝ってしまうくらいでした。自分も見ていた作品ですし、ファンの方々の期待を裏切りたくない。いろいろな気持ちを背負って、常に1ミリも予断を許してはいけない一年間でした。気が抜けたことがなかったかもしれません。終わった後、達成感というよりは、無の境地みたいになりました。やりきったんだ!というよりは。力が抜けちゃって。また、役者に戻ってこられるのかな?と思うくらい背負って臨んでいたんでしょうね。燃えかすみたいになって、燃え尽き症候群に近いのかもしれません。こんな作品に出会え、1年も続けられることは、本当にありがたいことです。メンバーが変わっても、その熱量を「FLOWERS」で持ち続けなくてはいけない。めぐさん(林原さん)ら皆さんが持ち続けている熱量を引き継いで、「FLOWERS」で伝えていかなければいけない気持ちがありました。