【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第17ステージ】リチャル・カラパスが全グランツールでの勝利を達成 ステージ優勝を信じて再三再四のアタック「この勝利にはすべてが詰まっている」
3年前には、東京五輪のロードレースで金メダルを獲得。しかし、パリ五輪は代表選考から外れ、五輪2連覇の可能性は潰えている。レース後には、ツール勝利と五輪欠場との関連性を問われたけど、本人は無関係を強調した。
「復讐とか、見返したとか、そんなことはこれっぽっちも思っていないよ。あくまで僕はツールで最高の走りをしようと集中していただけなんだ」(カラパス)
数々の栄光を手にしてきた31歳に、またひとつ新たな勲章が加わった。
逃げメンバーが上位を占め、別のレースとなっていたメイン集団では、1級山岳ノワイエでポガチャルがアタックした。ヴィンゲゴーとレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)が追ったけど、頂上までにポガチャルには届かない。ヴィンゲゴーは、前線を走っていたアシスト陣をここで生かすこととなる。まず、クリストフ・ラポルトが下りで牽引役となって、数秒先にいたレムコをキャッチ。レムコとも協調体制を図って、ポガチャルにも追いついた。
それからは、同様に逃げ残っていたワウトやベノートがペーシング。ただ、UAEチームエミレーツもシヴァコフがしっかりと残っていて、最後のシュペルデヴォルイでポガチャルをフォロー。そうしているうちにレムコが抜け出して、前待ちのヤン・ヒルトを生かしながら2人との差を広げる。お見合いするポガチャルとヴィンゲゴーだが、前者には総合タイムでの余裕がある。レムコを行かせつつ、自身はヴィンゲゴーとの総合タイム差拡大のために、フィニッシュ前でアタックした。
「ヴィスマ・リースアバイクは僕にプレッシャーをかけたかったのだろうね。それか何か別の理由があったのかな? いずれにせよ、僕自身は満足できる1日になったよ」(タデイ・ポガチャル)
結果的に、個人総合トップ3ではレムコが先着し、10秒後にポガチャルがフィニッシュ到達。ヴィンゲゴーは2秒遅れてレースを完了。総合順位はそのままながらタイム差は変動して、ポガチャルとヴィンゲゴーが3分11秒差、レムコは5分9秒差となっている。
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