【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第17ステージ】リチャル・カラパスが全グランツールでの勝利を達成 ステージ優勝を信じて再三再四のアタック「この勝利にはすべてが詰まっている」
1つ目のカテゴリー山岳、2級バイヤールでギヨーム・マルタン(コフィディス)とヴァランタン・マドゥアス(グルパマ・FDJ)が飛び出す。1級山岳ノワイエを前に、先頭グループに追いついた。
ノワイエを上り始めたら、大人数のグループからサイモン・イェーツ(ジェイコ・アルウラー)がアタック。先頭グループへのブリッジを図ると、そのままパスして独走を始めた。その後ろには、カラパスとスティーブン・ウィリアムズ(イスラエル・プレミアテック)が近づいている。
カラパスはウィリアムズを引き離すと、中腹でサイモンに合流。しばらく2人で上ったが、残り13kmで勝負に出た。
「大きなグループが形成されてから、僕に合うレース展開になると感じたんだ。もともとこのステージを狙っていて、チームともどう走るかを話し合っていた」(カラパス)
大観衆が待つ急坂区間をダンシングで上ってサイモンとの差を広げると、最終登坂の3級シュペルデヴォルイも力強いクライミング。トップは揺るがず、大歓声の中でステージ優勝の瞬間を迎えた。
「一生忘れられないレースになるよ。アタックばかりでハードな1日だったけど、最高の結果になった。ジロ・デ・イタリアやブエルタ・ア・エスパーニャで勝ったことがあるけど、ツールの勝利はまた違った喜びだね」(カラパス)
2019年にジロを制し、ツールでも2021年に3位となって総合表彰台を経験している。その力は総合系ライダーとして確かなものだが、前回大会では第1ステージで落車し負傷リタイア。今大会は序盤こそ好調で、第3ステージではマイヨ・ジョーヌにも袖を通したけど、前哨戦のツール・ド・スイスで体調を崩していたこともあって早々に総合争いから遅れていた。
「いろんな経験をしてきているけど、いつも何かが欠けているような感覚があったんだ。何かと考えたときに、ツールで勝っていないことに気が付いた。以来、僕の目標はツールのステージ優勝だったんだ」(カラパス)
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