〈睡眠のプロに学ぶ睡眠の最適解〉遮光カーテン、なぜ睡眠に良い?睡眠コーチに素朴な疑問を聞いてみた
寝るときに部屋に光が入らなくなる「遮光カーテン」をすべき理由とは?15万人の日本人のデータを集め睡眠改善をしてきた「上級睡眠健康指導士」角谷リョウさんに聞いてみました! 【写真】〈睡眠のプロに学ぶ睡眠の最適解〉遮光カーテン、なぜ睡眠に良い?睡眠コーチに素朴な疑問を聞いてみた ーー今回は、寝る時の話というよりは目が覚める時の話なのですが、ずばり「カーテン」にについて伺いたいです。個人的な話をすると、私は厚いカーテンなしでここ10年ぐらい生活しているんですけど、うっすらカーテンをした方がいいというのはわかっていながらも、一方で「外の明るさで自然に目が覚める」というのも悪くないのでは?という考えもあって、今日は角谷さんにそのあたりのことを聞きたいと思いました。 角谷さん:カーテンなし、あるいは薄いカーテンのみで寝てもいい条件としては、外が暗いこと。何が言いたいかっていうと、外の光がないような田舎で暮らしていること。だけど、そこに夜の光が入ってくるような状況、例えば東京だったら、夜の光は間違いなく入ってきているから絶対に良くない。睡眠の質が下がってると思いますよ。 ーーおお…そうですか。東京シティに住んで早20年は経過してますね。 角谷さん:東京に住んでたら、向かいにマンションが立ってたりするでしょ?意外かもしれないけど、窓から入ってくる光って、光量を測定する「ルクス計」で測った時に30ルクス以上あると確実に睡眠の質が下がるということがわかっているんですよ。だから東京に住んでいる時点でカーテンなしで寝るというのはハイリスク。 もうひとついうと、太陽が昇ると同時に目が覚めて外が暗くなったら眠るっていうような、自然に任せて生きるライフスタイルってあるとは思うんですよ。昔の人って結構そういう暮らしをしてたと思うんですね。でも現代人ってそんな暮らしをしている人っていないんじゃないかな。 ーーまぁ、そうですよね。 角谷さん:日の出って夏は4時台だけど、冬至の頃は6時50分とか、ほぼ7時近いんですよ。 ーーえ?意外と遅いんですね? 角谷さん:そう、意外と遅いんです。そして、じゃあその時間に起きるんですか?っていう。だからそうなると、自然に任せた暮らしなんて到底無理ですよね。だからこそ、基本的には「家の中で朝を作り出し、家の中で夜を作り出す」という暮らし方が、現代社会では一番負担がないんじゃないかなと思うんですよ。そうなると、カーテンを閉めて部屋を暗くして、朝はカーテンを開いて光を入れて起きる、あるいは照明の光で起きるというのが一定していて楽ですよね。 そういうので一番最適解なのが、オートカーテンとかスマートカーテンと言われる、スマホと連動させることで設定した時間になったら自動でカーテンが開くカーテンがあるんですよ。 ーーめちゃセレブ!すごいですね。実は遮光カーテンをつけていない理由のひとつに、遮光カーテンをつけていた頃、あまりにも深く眠りすぎて起きれなかった、という経験が何度かあるんです。だから深層心理で「深く眠るのが怖い」っていう気持ちもあったりして。 角谷さん:それね、ちょっとやばいですよ(笑)。カーテンもそうだけど、心理的に「暗闇だと深く眠れない」と思っている時点で眠りが浅いんですよ。それって、夜勤の人にありがちなんですけど、夜オフィスに泊まって仮眠する時、深く寝ちゃうと周囲の変化に気づかないから深く寝てはいけないというのが常態化しちゃうと、眠りがずっと浅いままになるんです。だから要は、カーテン閉めてないってことは、仮眠なんですよ!仮眠ライフ(笑)。 ーーえ!じゃあ、ずっと仮眠ライフだったってことですか? 角谷さん:そう。ずっと仮眠ライフ。 ーー知らず知らずの間に、仮眠ライフが常態化していたんですね…。 角谷さん:まず遮光カーテンにした方がいいし、スマートカーテンも、毎日使うものだから奮発して買った方がいいですよ。最近は1万円ぐらい、もっと安いかもしれないけど、普通に買えますよ。「カーテン 自動」とかで検索すればたくさん出てきますから。スマートカーテンにしたら、セレブ生活ですよ。じいが勝手に開けてくれる、みたいな(笑)。仮眠ライフから一気にセレブライフに変わるし、睡眠の質もグッと上がるはずですよ。 ■お話を伺ったのは…角谷リョウさん 1970年、名古屋生まれ。上級睡眠健康指導士。 NTTドコモ、サイバーエージェント、損保ジャパンなど160社以上、15万人以上のビジネスパーソンの睡眠改善をサポートしてきた実績あり。 認知行動療法や心理学をベースにした独自の睡眠改善メソッドによるサポートは評価が高く、講義・サポート依頼が殺到。 また、経営者1,000人以上の睡眠改善を通じて得た経験を活かし、現在は経営者特化型のサポートも実施中。 著書『働くあなたの睡眠術』は台湾・中国・韓国で翻訳出版されるなど、ベストセラーとなっている。 「人は、強制されても生活や行動は変わらない」をモットーに、楽しくみずから自分を変えたくなるようなサポートを追求している。LIFREE 株式会社共同創業者。著書に『働くあなたの快眠地図』(フォレスト出版)、『働く50代の快眠法則』(フォレスト出版)がある。2024年9月にYouTubeチャンネル「【睡眠最適化コーチ】角谷リョウ ー今のあなたに最適な睡眠へカスタマイズ」を開設。 読むだけで熟睡できるようになる!?15万人の“日本人”のデータを集め、睡眠改善をしてきた「上級睡眠健康指導士」だけが知っている“日本人”に最も合う「熟睡スキル」を紹介。寝付きの悪さ、中途覚醒、スッキリ起きられないなど、睡眠にまつわる悩みが解決!
ヨガジャーナルオンライン編集部