「ご指摘はごもっとも」と江藤農水相 オンライン申請サービスの抜本的見直し求められ反省
江藤拓農林水産相は19日の閣議後の記者会見で、政府の「秋の行政事業レビュー」で農水省が運用するオンライン申請サービス(eMAFF)の費用対効果が悪く、見直しを求められたことについて、「ご指摘については、非常にごもっともだと受け止めている」と述べ、反省の意を示した。 申請手続きの効率化などを目的に、eMAFFは2020年度に運用が始まった。25年度には、年間約400万件ある農業や漁業従事者からの申請手続きのうち60%をオンライン申請に切り替える目標を掲げていた。 しかし、昨年度は43・9億円の予算をかけながら、申請件数は6・8万件にとどまった。申請1件当たりにかかる費用が約6万5000円に上り、目標達成率は1%に満たなかった。こうしたeMAFFの現状を受け、14日に開かれた行政レビューの議論では、有識者から運用・開発を担う農水省やデジタル庁に対し、「費用対効果が悪く、ニーズを踏まえた抜本的見直しが必要」と指摘された。 これについて、江藤氏は「オンライン化は行政手続きの簡略化、コストを下げることが主眼であるべきはずなのに、逆に1件当たり6万数千円かかることは説明がつかない」と強調。「(eMAFFを運用する)担当課は反省し、秋から見直しをして、本来の趣旨に則ったものにしていくと熱く私に語るので、その意気込みを信用したい」と述べた。また、「秋に見直しをして、改善できなかったら言い訳はできない」と、担当課にハッパをかけたことも明かした。