意外と知らない「お年玉」の由来「お年賀」とはどう違う?
● 鏡餅:丸餅を二つ重ねる代表的な正月飾り お正月の床の間を飾るのが、鏡餅です。半紙を敷いた三方(さんぼう)(三方の側面に透かしのある四角形の台)に、大小二つを重ねた丸餅をのせ、ダイダイ、ユズリハ、昆布などを添えるのが一般的。ユズリハ、ダイダイは、しめ飾りと同様の理由で用いられ、昆布には子孫繁栄の願いが込められています。 もともと餅は、ハレの日に、神様に捧げる神聖な食べ物とされてきました。それが室町時代以降、正月に年神様に供える現在のような鏡餅になっていきました。 鏡餅という呼び名は、昔の鏡が円形だったことから。その鏡は、人の魂(心臓)を表す神器であり、そこから丸餅になったといわれます。また、大小二つを重ね合わせるのは、月(陰)と日(陽)を表していて、福徳が重なって縁起がいいからだともいいます。 この鏡餅用に、多くの家では年末になると餅つきをしました。ただし、12月31日の大晦日につくのを「一夜餅(ひとよもち)」、また12月29日につくのを「苦餅(くもち)」といって、嫌いました。 正月中は1月11日の鏡開きまで飾るのが一般的です。 ● おせち料理:もとは正月料理ではなく、季節の変わり目の節句料理 正月の三が日に食べる「おせち料理」は、年神様に供えるための供物(くもつ)料理であるとともに、家族の繁栄を願う縁起ものの家庭料理でもあります。 もともとは季節の変わり目の節句(節供(せちく))に、年神様に供えるための「お節」料理でした。それが、やがて大晦日の年越しのときに食べるようになり、年に5回ある節句のなかでも正月がもっとも重要ということから、正月料理に限定されるようになりました。 おせちは、「めでたい」とされる日持ちのする材料で作り、家族が食べるほかに、年賀に来るお客様にも出せるようにと、重箱(お重)に詰めておくのが一般的です。 一の重には口取り(かまぼこ・きんとん・伊達巻きなど)、二の重には焼物(ブリの照り焼き、イカの松風焼きなど)、三の重には煮物(レンコン、里イモ、高野豆腐など)、四(与)の重には酢の物(紅白なます、酢レンコンなど)を入れるのが習わしで、さらに五の重を用意するところもあります。