兵庫・佐用町 高校生が生産した卵 町内の給食に活用 食育に貢献 農業のよさ感じる貴重な機会に
先日、兵庫県佐用町の幼稚園や小・中学校で、町内の高校生が生産した卵を使用した給食が提供されました。生産5年目に突入した卵「さよたま」の特徴や反響などについて、兵庫県立佐用高校の竹内駿平先生に話を聞きました。 【写真】高校生が鶏の世話をしている様子 農業科学科の生徒が当番制で、平日は放課後、土・日は朝から夕方まで世話をしています。約1000羽と、数が非常に多いため健康管理や防疫対策を徹底しているそう。他にも、生徒たちは安全に作業を行うために身なりを整えたり、生で食べても健康被害が出ないよう、卵に割れや汚れがないかきちんと確認するなど細心の注意を払っています。 鶏に与える飼料には、7種類のハーブを配合しており、生臭さや卵特有の匂いなどが少ないそうです。また、通常のものに比べてビタミンEが約10倍含まれていたり、卵黄の色が濃いのも特徴です。竹内先生は「生徒に品質の良い卵を生産してもらって、地域の人や家族に届けることで、農業の面白さを味わってほしいなと思います」とコメントしました。 9月17日に町内の幼稚園や小・中学校、30日に中学校と幼稚園の給食に「さよたま」が使用されました。子どもたちに“食育”をしたいという思いから、佐用町と高校が連携して取り組んでいる「地域と高校の協働による輝く人づくり支援事業」の一環として佐用町学校給食センターの協力も得て提供が決定したそうです。 竹内先生は、中学校に視察へ行かれたそうで「みんなが笑顔で食べてくれていました。『おいしい!』という声もあってうれしかったです。生徒が消費者の声を聞く機会というのは貴重ですので、良い経験をさせていただきました」と当日を振り返りました。次回は10月24日に実施される予定です。 佐用高校では、3年生の生徒自身が気になったことについて調べる「課題研究」にも取り組んでいます。鶏に与える飼料をテーマとして扱っている生徒もいるそうで、竹内先生は「佐用もち大豆という特産品を、豆腐に加工する中で生まれるおからを鶏に与えて、卵の味や見た目、特に栄養面に変化があるかを研究していたり、ひまわりの種を飼料に配合したらどうなるか考えている子もいます」と言います。佐用町らしさや高校生らしさを飼料にプラスして、ブランド化するのが目標とのことです。 最後に、佐用高校が気になっている中学生に向けて、竹内先生は「本校では、『さよたま』のみならず野菜や果物、花など、様々なものを生産しています。一緒に『農業の勉強がしたい!』と思っている生徒さんがいれば、ぜひ学校にお問い合わせください」と呼びかけていました。 (取材・文=長塚花佳) ラジオ関西『Clip』水曜日 「トコトン兵庫」より (2024年10月16日放送回)
ラジオ関西