プロテリアル、EV車載用非接触充電システム向け磁気シートパネル開発。薄肉化実現
プロテリアルは29日、EV車載非接触充電システム用にナノ結晶軟磁性材料「ファインメット」を素材とする磁気シートと磁気シートパネルを開発したと発表した。現在この用途ではフェライト(磁性セラミックス)を磁気シートに使う開発が主流となっているが、今回の開発製品を使うと大幅な薄肉軽量化が可能になる。プロテリアルは、EVへの給電技術として注目される非接触充電システム向けへの採用を目指していく。 非接触充電はペースメーカーなどの医療機器で使用が始まり、スマートフォンに採用されてから急激に普及している。2020年に駐車中の利用を想定した車載非接触充電システムの規格(SAEJ2954)が発行されるなど、EV車載の実用化に向けた検討が本格化しているが、有線の充電システムに比べて効率が低いことが課題の一つとなっている。 ファインメットは携帯電話向けの非接触充電システムで高いシェアを有するが、携帯電話向けの電力容量は20ワット以内と小さいのに対して、EV向けは3~11キロワットと非常に大きくなる。このため、磁気シートとしてフェライトを使用することでサイズを大きくし、厚みも増やす開発が主流となっている。 ファインメットを素材とする磁気シートを用いると、非接触充電システムのコイル背面にフェライトを配置する場合と比較して、厚さは3分の1~2分の1に薄肉化できる。