MUCA展アンバサダー 水上恒司に突撃インタビュー!アートは“出合いのツール”その言葉の真相は?
――さっきお話しされていたように、水上さんご自身も個展を開いたりインスタグラムでイラストをポストしていますよね。アートに興味を持ったきっかけは?きっかけは母親ですかね。僕の母は、絵を描くのが好きで、芸術肌なところがあるユニークな母親で。アートを通して母と会話することもあったし、僕が絵を描くことを一番褒めてくれたりしたので、母の影響なんだろうなと思います。 幼い頃からそうだったので、アートに対してハードルの高さや堅苦しさは感じてないです。でも、絵を描けない人からすると絵を描ける人ってすごいなって思いますよね。アートに限らず、自分ができないことをできる人に対して「いいな」って思うのと同じで。絵を描くって、誰でも挑戦できる身近なものであるからこそ、余計に敷居の高さを感じてしまうのかな。 ――では、アートは見たい派? それともクリエイトしたい派? どっちも大事です! 僕は画家じゃないし、趣味の範囲で描いているので、インプットしていかないと描きたいものって芽生えてこないんです。展覧会に行ったり日常の些細なことからヒントを得たりして、「描きたい」っていう意欲だったり、技術・技法を足し算的に吸収している感じです。 ――今の水上さんがアート作品に挑戦するなら何を選びますか? アニメーションは面白そうですよね! やったことがないので、やってみたいって思いがあって。ストーリー性を持たせたアニメーションも憧れますが、全く物語がなく、ただ動いているっていう作品かな。 ――これまではキャンバスに描くことが多かったと思います。もし、何にでも描いていいよって言われたら何に描きたいですか? 去年携わった映画の美術スタッフさんで、キューピーに絵や模様を描いている方がいて。本当に素晴らしい作品を作る方なんですが、それを見て既存のものに描くっていう発想が面白いなと思っていて。権利を持たれている方がいいよっておっしゃってくれたら、そういうアイコン的なものに描いてみたいです。 ――最後に、アートに対して食わず嫌いの方だったり、行こうかなって迷ってる人に背中を押すような、この展覧会への誘い文句をお願いします。 「行きたい」ってちょっとでも思ってる人は絶対に行ったほうがいいです! このMUCA展でしか得られないものがあります! 人間が生きていく上で“楽しい”って思うものって、必要のない無駄なものばかりだと思うんですよ。最低限、衣食住があれば人は生きていけるので。それなのに、ゲームだったり服飾だったり映画だったり音楽だったり…そういうものに救われてきた歴史がここまで数千年と続いていますよね。アートもその一環だと思うんです。まったく難しくもないし、敷居も高くない。展覧会って作品の横にその作品の詳細だったりアーティストの人生が書かれてる解説パネルがありますよね。もしかしたら、その説明書とたまたま自分が気になっていた社会現象がマッチするかもしれない。アートはそういう出合いのツールだと思うので、ぜひこのMUCA展でアートに出合いに来てください! 恒司さんは、自分の足で行き、自分の目で見ること――スマホで調べること以上のことが展覧会に行くことで分かるし、とても大事なことだ、と語る。「アートは難しい」という先入観をひょいと退けてくれるような力強さを感じる恒司さんがアンバサダーを務める本展。ふとしたことからヒントを得るように、アートに自然体で触れるためにもぜひ訪れてみて。 水上恒司(みずかみこうし) 1999年5月12日生まれ、福岡県出身。ドラマ「中学聖日記」で俳優デビュー。近年の主な出演作は、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」など。3月30日には、テレビ朝日ドラマプレミアム「黄金の刻」への出演が控えている。 TEXT=GINGER編集部
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