江口のりこの心の声「だろうね」が小気味よい「ソロ活女子のススメ」... シーズン3では津田寛治、宇梶剛士、小手伸也、要潤、八嶋智人らバイプレーヤーとの共演も必見
おひとりさまの時間を楽しむ女性の姿を描いた「ソロ活女子のススメ」。2021年にドラマ化されてから、4本のシリーズが作られるほど人気シリーズになっている。主人公・五月女恵を演じているのは、本作が民放連続ドラマ初主演となった江口のりこ。「これは経費で落ちません!」(2019年)での社長秘書への対抗心に燃える経理部社員や「半沢直樹」(2020年)での半沢直樹(堺雅人)と敵対する国土交通大臣のようなクセのある役が多かった彼女が、クールだけどどこかかわいらしい恵を魅力的に演じている。 【写真を見る】第3話の秩父の温泉では湯けむりの中でくつろぐ江口のりこ 特に本作は恵の心の声が多く、よく他人の言動を見ては「だろうね」と淡々としたツッコミを入れる。そのツッコミの小気味よさが、江口の声のトーンと表情とマッチしてユーモラスさが倍増していく。また心の声が意外と乙女なのも魅力的。毎回初めてのことにドキドキしたりワクワクしていることに気づかされ、外見は堂々として見えるのに心の中はこんなにかわいいのかと知ることができる。江口が感情を表に出しすぎない演技をしているため、そのギャップにやられてしまう。 2023年に放送されたシーズン3もこれまでと変わらず、積極的におひとりさま時間を楽しむ恵。「こんな場所でも1人で楽しめるのか」という新たな発見があるのは今回も変わらず。 第1話では東京ベイ・クルージングを楽しみ船上で少し豪華な1人誕生日を迎えたほか、第5話ではサンリオピューロランド、第10話では東京国立博物館と興味はあるけれど若干のハードルの高さを感じる場所にも挑戦する。今回も、観光地はもちろん街ブラや専門店なども訪れて、新たなソロ活ライフを満喫していく。 ロケ地も魅力の一つなら、そこに登場する人々も欠かすことのできない存在。恵は街の人や店員、その場所で楽しむ人とわずかながら交流して、楽しみ方を教えてもらったり、共感していく。個性的な彼らと知り合うことにより、恵のソロ活はより充実したものになっていく。 そして本作で街の人などを演じるのは誰もが一度は見たことがあるバイプレーヤーたち。第1話で優雅にソロ活を満喫していた女性客を大塚寧々、第2話の秩父の温泉旅館の主人を宇梶剛士、第6話のねぎま鍋の女将を釈由美子、第10話の東京国立博物館にいた男性を要潤、第11話の宮崎県都城市で出会う男性を八嶋智人が演じるなど、有名俳優の面々がそろっている。登場時間にするとわずかだが、確かで個性的な演技力で恵だけではなく視聴者を魅了していく。彼らが演じるからこそ、その場所が魅力的に映るのは間違いない。 シーズン3で特に注目したいのは、第8話の富士急ハイランドの客として登場する津田寛治。この男、実はシーズン1の第8話にも登場している人物。「以前お会いしましたよね」と言う恵に対して、「人違いじゃないですか」と返してくるなど要領を得ないが、こんな再登場もあるのか!とシーズン1を見ていた視聴者はうれしくなってしまう。他にも、シーズン2に出ていた小手伸也も第3話に登場。江口と名バイプレーヤーたちの共演も本作ならではの楽しみだ。 文=玉置晴子
HOMINIS