「ゴアテックス」「パタゴニア」らアウトドア関連各社が製品ケアの取り組み強化 PFAS規制背景に
「パタゴニア」は25年1月に
PFASフリー達成
合同イベントだけでなく、アウトドアブランド各社もユーザーに正しいケアを伝えるためのコミュニケーションをそれぞれで強めている。例えば「パタゴニア」は9月、東京・清澄白河のランドリーを会場に、「ゴアテックス」を含む防水シェルの正しいケア方法をメディア関係者らに伝えるイベントを開催した。検証の結果、ブランドとして最もおすすめできると判断した「ストーム」の中性洗剤やはっ水剤も紹介。「アンケートを行うと防水シェルは洗濯してはだめと思っている人が一定数いる。洗って適切にケアすることで長持ちすることを伝え、洗うことが当たり前なカルチャーにしていきたい」と担当者。「パタゴニア」は10年ほど模索してきたというPFASフリーを、25年1月に達成予定。現時点でPFAS使用製品が残っているのは、フィッシングカテゴリーの一部のみだ。
「アークテリクス(ARC’TERYX)」も9月に、「ゴアテックス」と共にシェルのケア方法を伝える消費者向けのイベントを10日間にわたって実施した。原宿のレンタルスペースに洗濯機や乾燥機を設置し、アドバイスを受けながらユーザー自身で「ゴアテックス」製品を洗濯・乾燥できるというもの。両社タッグでの「ゴアテックス」の機能を伝えるイベントは既に5年目というが、実際にその場で製品を洗える形式にしたのは昨年に続き2回目。「アークテリクス」は11月30日にオープンする新宿の日本最大店舗には常設で洗濯機・乾燥機を設置し、客から製品を預かってのケアも行っていく。
【一括規制には批判の声も】
PFASについて、一括しての規制には疑問の声も上がっている。基本的に規制はしつつも、限定的に使用可能とするのが現実的といった意見もあり、今後規制がどんな方向に進むのかは見えない部分もある。とは言え、例えば国内外で発信力の大きな「ユニクロ(UNIQLO)」は今秋配布のフリーペーパーや公式サイトで、「17年にPFASフリーを達成」と大きく掲出。日本の消費者の間でも「PFAS=避けるべきもの」という認識がここからより深まっていくことは恐らく間違いなく、アウトドアだけでなく日常用衣料も含め、メーカー各社で対応が進む。