中高年サラリーマンを苦しめる「痛風」…今は「20代」も「女性」も苦しめられる病気に⁉
あらゆる病気の中で最強の痛み
尿酸カルシウムが腎臓に沈着すると、腎機能の低下が起こります。尿路に沈着すれば、尿路結石となって七転八倒の痛みに襲われることがあります。なにしろ尿路結石は、あらゆる病気のなかで最強の痛みとも言われています。尿路結石は、痛風患者の数パーセントから10パーセント以上で合併するそうです。痛風発作と尿路結石に同時に襲われたら、我慢の限界を超える痛みかもしれません。 日本人間ドック学会の基準値は、男女共通で、以下のようになっています。単位はmg(ミリグラム)/dL(デシリットル)です。 ただし痛風発作が起きるかどうかは、尿酸値だけでなく、個人の体質などにもよります。7を超えた程度で発作が起きるひともいれば、10でも大丈夫というひともいます。 病院では尿酸値が7.1~8.9のひとに対しては、まだ痛風発作を経験していなければ生活指導で経過観察、すでに痛風や尿路結石を経験していたり、腎機能の低下の兆しが見える患者に対しては、尿酸値を下げる薬を処方するのが一般的です。 一方、尿酸値が2.0以下になると「低尿酸血症」と呼ばれます。遺伝的に、腎臓からの尿酸の排泄が活発なひとで、男性の0.2パーセント、女性では0.4パーセントが該当します。とくに自覚症状はなく、普通に暮らしていれば不都合はありませんが、他のひとと比べてなぜか尿路結石になりやすいと言われています。 『将来「寝たきり」にならないために…40歳以上の女性が「健康診断」で追加すべき「指標」を知っていますか? 』へ続く
永田 宏(長浜バイオ大学バイオデータサイエンス学科教授)