将来の親の介護費用が心配です。子どもの私はいくら貯金しておけばよいでしょうか。
親の介護に対して不安を感じている方は少なくありません。将来的に必要な費用や貯金の金額は、多くの人が直面する悩みです。本記事では、親の介護に関する不安や費用の目安、事前に話し合っておくべきことなどを紹介します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
親の介護に関するアンケート結果
ここでは、SOMPOひまわり生命保険株式会社が行った「介護とお金に関する調査報告」より、親の介護に対する不安を表1にまとめました。 表1
出典:SOMPOひまわり生命保険株式会社「介護とお金に関する調査報告」より筆者作成 また、介護により子どもに負担をかけないよう、準備を行っているかどうかの質問に対しては、特に準備をしていないという回答が65%にも上りました。
親の介護にかかる費用の目安
生命保険文化センターが行った調査によると、介護にかかる平均月額費用は、在宅で4.8万円、施設で12.2万円です。詳細を表2にまとめました。 表2
出典:生命保険文化センター「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」より筆者作成 金額の詳細な割合をみてみると、15万円以上と回答している人が最も多いことが分かります。介護期間は平均5年1ヶ月といわれているため、5年1ヶ月分の費用を準備するとなると、在宅の場合はおよそ292万8000円、施設の場合は744万2000円が必要になる計算です。決して少ない金額ではないため、自身の生活が圧迫されないよう事前に親と話し合いを行い、費用面についてどれくらい負担できるかを伝えておくとよいでしょう。
親に確認しておくべきこと
親の介護費用が心配であれば、早い段階で親とコミュニケーションを取っておくことが大切です。ここでは、介護が必要になる前に親に確認しておくべきことを紹介します。 ■どのような介護を希望しているか どのような介護を受けたいか、どのようなサポートを望んでいるかを親と話し合っておくとよいでしょう。例えば、自宅で介護を受けたいのかどうか、施設に入ることを考えているのかどうかなど、介護のスタイルに関する意向を明確にしておくことが大切です。 親が「子どもに介護してほしい」と希望しているとしても、自身の生活や仕事を考えると、親の希望を100%かなえることは難しい場合もあります。親の希望を尊重しつつ、自身の生活状況や意向を踏まえたうえで、どのように介護を行うかを話し合うことが必要です。 ■親の経済状況・保険加入状況 親の介護費用は親自身が支払うものと考えがちですが、親の経済状況や加入している保険の内容によっては十分にまかなえない場合もあります。介護費用をカバーするために支援が必要になるケースも考えられるため、親の経済状態や保険加入状況を事前に確認しておくことが欠かせません。 親とお金の話をすることに対して抵抗を感じる人は多いかもしれませんが、将来の不安を減らすためには事前確認が大切です。親がどれほどの資産を持っているか、どれほどの介護費用であれば自身で支払えるのかを把握しておくと、親の介護に備えた計画を立てられます。また、公的な介護保険に加入している場合には、条件や保障内容をあらかじめ確認しておくことで、将来の負担を軽減できる可能性があります。