日本ではエクストレイルなど3モデルだけでも実は世界中で15モデルを展開中! 日産/インフィニティのSUV全15車総覧
現在日本で購入できる日産のSUV/クロスオーバーモデルは3車種のみだ。しかし、海外では全長4m未満のマグナイトから、5m超のパスファインダーやアルマーダまで多彩なボディサイズのSUVを取り揃えている。インフィニティも含めた日産のSUV全モデルを紹介していこう。 【関連画像】ドバイではNISMOモデルも展開される日産パトロール
日産のSUVモデル一覧
国によっては同じ車でも車名が異なるケースもある。エクストレイル/ローグや、テラ/エクステラがその例だ。2024年5月現在、日産が世界で販売しているSUV/クロスオーバーモデルは、インフィニティブランドも加えて全15種類にものぼる。
インフィニティのSUV/クロスオーバーモデル
インフィニティは、北米など一部の国のみで販売されている日産の高級車ブランドだ。トヨタのレクサスにあたるブランドと思ってもらうとよいだろう。ただし、魅力的な車種を取り揃えていながら、日本では逆輸入車としてしか購入できない点が非常に惜しまれる。
マグナイトからインフィニティ QX80まで1台ずつチェック
Aセグメント:日産 マグナイト マグナイトは日産のグローバルラインナップのなかで、もっとも小さいSUVとなる。インドやアセアン地域のニーズに合わせたコンパクトボディと小排気量エンジンのコンセプトは、日本の道路事情にも十分にマッチしそうだ。多彩なニーズに対応できる豊富なパワートレインも特徴といえるだろう。 全長×全幅×全高:3994mm×1758mm×1572mm ホイールベース:2500mm パワートレーン: 1.0l直3+5速MT/5速AMT 1.0l直3ターボ+5MT/CVT デビュー年:2020年 プラットフォーム:CMF-A+ Bセグメント:日産 ジューク 2010年に登場した初代ジュークはクロスオーバーSUVジャンルを確立した世界的な先駆者と言えるだろう。日本では1代かぎりで販売が終了したが、欧州では2019年に2代目ジュークがデビューした。2022年に追加されたハイブリッドモデルはe-POWERではなく、ルノーアルカナなどに搭載される「E-TECH」が採用されている。 全長×全幅×全高:4210mm×1800mm×1593mm ホイールベース:2636mm パワートレーン: 1.0l直3ターボ+6速MT/7速DCT 1.6l直4+2モーターハイブリッドトランスミッション プラットフォーム:CMF-B デビュー年:2019年 Bセグメント:日産 キックス 日産ラインナップのなかでもっとも世界で広く販売されているのがキックスだ。日本では日産のSUVラインナップ最小のe-POWER専用モデルとなっているが、海外では1.6l直4や1.5l直4エンジンを搭載した純ガソリンモデルも販売されている。2024年3月には新型キックスが発表された。コンセプトはそのままに、イメージを一新した新型キックスが2024年夏にも北米で登場予定だ。 全長×全幅×全高:4290mm×1760mm×1605mm ホイールベース:2620mm パワートレーン:1.2l直3+e-POWER プラットフォーム:CMF-B デビュー年:2020年 Cセグメント:日産 キャシュカイ 欧州で販売されるキャシュカイは、キックスとエクストレイルの中間のポジションにあるモデルだ。初代キャシュカイは、日本でデュアリスの車名で販売されていた。2021年に登場した現行型3代目は、欧州初となるe-POWERモデルも投入。搭載エンジンはエクストレイルと同じ1.5lの可変圧縮比ターボエンジンだ。 全長×全幅×全高:4425mm×1833mm×1625mm ホイールベース:2665mm パワートレーン: 1.3l直4ターボ・マイルドハイブリッド+6速MT/CVT 1.5l直3ターボ+e-POWER プラットフォーム:CMF-C デビュー年:2021年 Cセグメント:日産 アリア アリアは、リーフで培った電動自動車技術に電動四輪制御技術「e-4ORCE」を加えたBEV。ボディサイズはリーフよりも一回り大きく、クーペのような外観に加え内装もクラスを超えた上質感が備わり、日本をはじめ欧州や北米でも高い評価を受けている。2024年6月にはモーター出力やハンドリング性能を強化した「アリア NISMO」も発売予定だ。 全長×全幅×全高:4595mm×1850mm×1655mm ホイールベース:2775mm パワートレーン:モーター プラットフォーム:CMF-EV デビュー年:2022年 Dセグメント:日産 エクストレイル 国内で9年ぶりにフルモデルチェンジした4代目エクストレイルは、e-POWER専用モデルとなって登場した。エンジンは可変圧縮比機構を組み込んだ1.5l直3ターボエンジンを搭載し高効率な発電が可能。4WDモデルは電動四輪制御技術「e-4ORCE」によるきめ細やかな駆動制御が特徴だ。 全長×全幅×全高:4660mm×1840mm×1720mm ホイールベース:2705mm パワートレーン:1.5l直3ターボ+e-POWER プラットフォーム:CMF-C/D デビュー年:2022年 Dセグメント:インフィニティ QX50 インフィニティ最小のSUVがQX50。現行型2代目はFFのみの設定となり室内空間を拡大。エンジンは2.0lの可変圧縮比ターボエンジンを搭載し、インフィニティブランドらしい高出力と環境性能を両立させている。 全長×全幅×全高:4700mm×1903mm×1679mm ホイールベース:2800mm パワートレーン:2.0l直4ターボ+CVT デビュー年:2018年 プラットフォーム:CMF-C/D Dセグメント:インフィニティ QX55 QX55は、QX50のクーペボディモデル。QX50と基本メカニズムは共通だが、リア周りのルーフラインがより傾斜の強いクーペデザインに変更されるとともに、リヤハッチや前後バンパー周りにも変更の手が加えられている。 全長×全幅×全高:4732mm×1903mm×1621mm ホイールベース:2800mm パワートレーン:2.0l直4ターボ+CVT デビュー年:2021年 プラットフォーム:CMF-C/D Dセグメント:日産 ムラーノ 北米を中心に販売されているムラーノは、インフィニティブランドを除く日産ラインナップのなかでひときわ流麗なデザインをまとうラグジュアリーSUV。2002年に登場した初代と2代目は日本でも販売されていたが、北米の現行モデルは2014年にデビューした3代目となる。 全長×全幅×全高:4770mm×1880mm×1705mm ホイールベース:2825mm パワートレーン:3.5lV6+CVT プラットフォーム:Dプラットフォーム デビュー年:2014年 Eセグメント:日産 エクステラ/テラ アジア圏やアフリカ市場向けに開発された3列シートSUV「テラ」を、中東向けにアレンジしたモデルがエクステラとなる。テラ、エクステラともに日産のピックアップトラックであるナバラと共通のラダーフレームを採用した頑強なシャシーが特徴だ。 全長×全幅×全高:4900mm×1865mm×1865mm ホイールベース:2850mm パワートレーン: 2.5l直4+7速AT 2.3lディーゼルターボ+7速AT デビュー年:2020年 プラットフォーム:F-Alphaプラットフォーム Fセグメント:日産 パスファインダー 北米や南米などに向けて販売されている3列シート7人乗りSUVがパスファインダーだ。現行型は2021年にモデルチェンジした5代目であり、3代目エルグランドなどと同じDプラットフォームが採用されている。初代と2代目は、日本で「テラノ」の車名で販売されていた。 中国では次世代Vモーショングリルを採用した新型パスファインダーがすでに発売されている。 全長×全幅×全高:5004mm×1979mm×1800mm ホイールベース:2900mm パワートレーン:3.5lV6+9速AT プラットフォーム:Dプラットフォーム デビュー年:2021年 Fセグメント:日産 アルマーダ アルマーダは北米向けに販売される3列シート7人乗りのフルサイズSUVだ。現行型は2016年に登場した2代目で、ピックアップトラックであるタイタンのラダーフレームを流用しつつ、前後ダブルウィッシュボーン化とすることで乗り心地に配慮している。搭載エンジンはアメリカらしい5.6lV8自然吸気エンジンだ。 全長×全幅×全高:5306mm×2029mm×1925mm ホイールベース:3076mm パワートレーン:5.6lV8+7速AT プラットフォーム:F-Alphaプラットフォーム デビュー年:2016年 Fセグメント:日産 パトロール 中東やアフリカ向けの大型SUVとして1951年から販売されているパトロールは、トヨタ ランドクルーザーと並び世界的に高い評価を受けているモデルだ。現行型7代目は、シャシーや内外装など基本的な部分がアルマーダと共通だが、装飾がややシンプルにアレンジされている。ドバイでは5.6lV8エンジンをベースに最高出力が引き上げられ、専用内外装が装着された「アルマーダ NISMO」も販売されている。 全長×全幅×全高:5315mm×1995mm×1940mm ホイールベース:3075mm パワートレーン:5.6lV8/4.0lV6+7速AT デビュー年:2010年 プラットフォーム:F-Alphaプラットフォーム Fセグメント:インフィニティ QX60 インフィニティブランドの中核を担う7人乗りモデルがQX60。初代はJXの車名だったが、2代目となった2021年のフルモデルチェンジと同時にQX60へと変更された。米国向けには3.5lV6エンジンが搭載されるが、中国向けには2.0l直4可変圧縮比ターボエンジンに9速ATを組み合わせて搭載している。 全長×全幅×全高:5034mm×1981mm×1770mm ホイールベース:2900mm パワートレーン:3.5lV6+9速AT デビュー年:2021年 プラットフォーム:Dプラットフォーム Fセグメント:インフィニティ QX80 QX80は、アルマーダおよびパトロールのインフィニティ版となる7人乗りのフルサイズSUV。2代目登場当初はQX56の車名だったが、1度目のマイナーチェンジのタイミングでQX80へと変更され、2018年に行われた2度目のマイナーチェンジで現在の外観となった。北米では3.5lV6ツインターボを搭載した新型QX80が2024年夏以降に発売予定だ。 全長×全幅×全高:5339mm×2030mm×1925mm ホイールベース:3075mm パワートレーン:5.6lV8+7速AT デビュー年:2010年 プラットフォーム:F-Alphaプラットフォーム 日産は日本市場ではキックスとエクストレイル、アリアしか販売していないが、世界を見るとトヨタ/レクサスにも劣らない多彩なラインナップを有していることが分かる。 コンパクトSUVのマグナイトやジュークは、そのまま日本市場に投入しても一定以上の販売が見込めそうだ。その他の車種もモデルチェンジ時期に差し掛かっているため、新型に切り替わるタイミングで日本市場へ投入される可能性も否定できない。 事実、2024年3月に公開された日産の経営計画のなかで「今後3年間で30モデルを投入しラインナップを一新する」と述べられている。また同時に「日本市場に5車種の新型車を投入する」とも述べられた。当然、この5車種のなかには現在の主流ジャンルとなっているSUVも入ることだろう。
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