高速道路の高架橋床版、自走式装置1台で効率よく更新…清水建設が新工法
清水建設は25日、岐阜工業(岐阜県瑞穂市)と共同で、老朽化した高架橋床版の剥離・撤去や新たな床版の架設を1台の装置で効率良く行う床版更新工法「グラビングエレクター工法」を開発したと発表した。高速道路更新工事の生産性向上を狙う。自走式の床版更新装置が所定の施工場所に移動し、既存床版の剥離・撤去と新設床版の架設を繰り返し行う。今後、同装置を高架橋床版の更新現場に導入する計画だ。 床版更新装置は、H形鋼製のフレーム部と、既存床版の剥離撤去や新設床版の架設を行う床版把持機構で構成。床版把持機構は、走行フレーム上を走行する駆動部(把持台車)と駆動部から床版面に伸びる把持装置、把持装置はベースとなる床版の架設装置と着脱式の剥離装置でそれぞれ構成する。 1枚当たり幅5―6メートル×奥行き2―2・5メートル、重量8―10トン程度の新設床版5枚分の架設場所を覆うように床版更新装置を設置。既設床版の部材を剥離・撤去した後、新設床版を1枚ずつ計5枚架設し、次の作業場所に移動する。 把持装置の姿勢を3次元(3D)制御することで、把持している床版の荷振れを防ぐ。床版架設時の微妙な位置合わせも人手を介さないため、作業の安全性も向上する。