【エリア別】2024年最新アートとグルメを堪能する、Pen お薦めの大阪旅、 ミシュラン星つき店発のベーカリー、話題の牛カツサンドetc...
立ち寄りグルメ 「うき世」
Wホテルで工藤玲のネオンを使ったアート作品を鑑賞した後に訪れたいのが、同ホテル内にある「鮨 うき世」。暖簾も掲げてなければ、エレベーターのフロア案内板にも表示されていない、文字通り隠れ家的な存在の寿司店だ。 山口出身の藤澤琢史さんは「銀座 久兵衛」にて17年間研鑽を積んだ実力派。今年3月、更なる高みを目指し銀座にあるミシュラン一ツ星「鮨 むらやま」の村山大作さんとタッグを組み、リニューアル。リニューアルに際し村山さんのもとで技術を磨いた。メニューは旬のつまみとていねいに仕事が施された握りのおまかせコースのみ(つまみ7~9、にぎり11~12ほどで、季節により異なる)。 蒸し鮑の肝ソースやタコの柔らか煮など「むらやま」のスペシャリテも頂くことが可能だ。ゲストの目の前で赤酢を効かせたシャリを切り、有明産海苔を炭火炙りするなど、味わう前から目と鼻でも本格江戸前鮨を堪能できる。 _______________________ 「鮨 うき世」 大阪府大阪市中央区南船場4-1-3 営業時間 18時~、20時30分~ TEL: 06-6484-5812(レストラン予約) 定休日:日・月(完全予約制) _______________________
ミナミエリア 心斎橋 / 難波 / 道頓堀 など
みどころ①エスパス ルイ・ヴィトン大阪 青木淳が設計した帆船のようなファサードが印象的なルイ・ヴィトン メゾン大阪御堂筋。その5階にある「エスパス ルイ・ヴィトン大阪」で開催中なのが、イギリス人アーティストのアイザック・ジュリアンによる個展『Ten Thousand Waves』だ。9つのスクリーンで写し出される大規模なインスタレーション作品『Ten Thousand Waves』は日本初公開。2004年に英国北部で違法就労の中国人労働者23人が潮流に巻き込まれ命を落としたモーカム湾の遭難事故が創作の契機となり、女優・マギー・チャン、アーティストのヤン・フードン、書家のゴン・ファーゲンなど中華圏の芸術家100名の中国人キャストが出演。さまざまな時代や神話が交錯するストーリーが展開する中、強制的な移動と移民の問題を観ている者に問う話題作だ。 みどころ② 「TEZUKAYAMA GALLERY」 大阪のアートシーンを牽引する、南堀江にある「TEZUKAYAMA GALLERY」では鈴木雅明の個展『Follow the Reflections』を開催。カメラのレンズ越しに捉えた人工の光をデフォルメし都市や郊外の夜景を描く。夜の街の光の粒、影の揺らぎ、夜風の匂いが作品と通して感じられ、観る人の心象風景に重なる。 同時期に、5年ぶりに3回目の加藤智大の個展『”binary”』も別フロアにて開催。鉄という素材で現代社会に様々な“境界”を探るanonymous シリーズでは鉄輪が積み重なる巨大な男女2つの頭部の立体作品を展示。また犯罪者が逮捕後に撮影されるポートレート写真を3Dスキャンし、その輪郭を反復する鉄線の集積に置き換えた彫刻は、視点を動かしながら鑑賞することでモアレの視覚効果を引き起こし、靄のような残像が印象的な作品群だ。2人の気鋭アーティストの世界観に浸ってほしい。 みどころ③ 南海なんば駅 南海なんば駅のコンコースに突如出現する異形のオブジェ群。ビジュアルアーティスト、パフォーマーとして活躍する高遠まきの「日常風景の中に潜む違和感に生命を与えると、どのような姿になるだろうか?」という問いから生まれた妖怪を現代的にアップデートした『Hopeful monster』や、作家自身の身体を全方位からスキャンした『GOLD FACE』など、空気によって変化する布バルーンを素材にし、内部のセンサーが周囲に反応することでモンスターが動き変化する『空気彫刻:ソフトスカルプチャーシリーズ』の作品が展示されている。見慣れた普段の駅の光景が一変するアートの力を感じられるだろう。
文:脇本暁子・Pen編集部
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