俳優・岩谷健司、木村拓哉との共演は緊張の連続。クランクアップの時まで“芝居”を打たれ「やっぱりスターでした」
西尾孔志監督は、「岩谷さんは断らない。『やってみましょう』と言って狭いドラム缶にも入ってくださる。こちら側の不備にも嫌な顔せずスマートにフォローしてくださることもあった。だが、役のことになると、疑問があれば遠慮なく聞いてこられる。そういう役への真摯な姿勢と現場への気遣いに心打たれました」と話す。 「まずは、やってみないとわからないですからね。でも、最後の脱出のシーンとか、もう全然時間がなかったんですよ。監督は、多分撮りたかったことの半分も撮れてなかったんじゃないかな。『もう時間が来ちゃったし、これで何とかしますって言ったけど本当かよ?』って思ったけど何とかなっていましたね(笑)。無事に終わって良かったです」 ――このところ、映像の話題作出演が続いていますが、岩谷さんご自身はどのように考えていらっしゃいますか。 「自分からとくには考えていませんでしたね。でも、今やっている『地面師たち』(Netflix)もそうですけど、大根(仁)さんの作品はめちゃめちゃおもしろいですよね。テレビの地上波ではできないエログロがちゃんとあるんですよ。結構その辺がやっぱりすごいなあって思います」 自分の中では、岡部(たかし)とやっている演劇ユニット『切実』みたいなのが中心ではあるんですけど、ドラマはそこから派生しているという感じですね。ありがたいなとは思いますけど」 ――今、これをやりたいということはありますか。 「『切実』の公演をやりたいんですよ。でも、今は岡部も忙しくてお互い時間がなくてね。ふじき(みつ彦)っていう作家もいるんですけど、来年朝ドラを書くので忙しくて3人なかなか会えなくなっちゃっていて。現実的に難しいんですけど、小さいところで舞台を借りてちょっとやりたいなとは思っています」 ――皆さんそれぞれかなりお忙しいですものね。 「そうなんですよ。こんなに忙しくなると思いませんでした。2回ぐらいしか顔を合わせてないんじゃないかな。前はずーっと一緒で毎日のように会っていたんですけどね。岡部が、もし自分が女だったら、絶対俺に抱かれているみたいなことを言っていたくらいですからね(笑)。こんなに忙しくなるなんて誰も思っていなかったですね」 全国順次公開中の映画『輝け星くず』に加え、2024年8月23日(金)からは映画『ラストマイル』が公開。『地面師たち』も配信中と映像作品が続く。スケジュール調整がかなり難しそうだが「切実」の公演もぜひ実現してほしい。(津島令子)