債券トレーダーに歓迎されないインフレのヒント-重要な物価指標控え
(ブルームバーグ): 債券トレーダーは13日、米インフレ動向について歓迎されないヒントを得た。トレーダーらは米金利見通しを変える可能性のある4月の物価データの発表を待ち受けている。
13日に発表されたニューヨーク連銀の調査によると、米消費者の1年先インフレ期待が昨年11月以来の高水準に達した。
米消費者の1年先インフレ期待上昇、5カ月ぶり高水準-NY連銀
発表を受けて米国債利回りは年限を問わず低下幅を縮小した。利回りは4月後半に年初来の高水準となっていたが、その後インフレ懸念が後退して利下げ期待が復活し、現在は当時に比べ10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)余り低い。
債券市場は高い利回り水準での買いを志向する資産運用会社からの需要と、インフレが粘着性を維持するリスクとの板挟み状態にある。1-3月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったため債券相場は一時急落した。4月のCPIは14日の生産者物価指数(PPI)に続いて15日に発表される。
マールボロ・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジェームズ・アゼイ氏は13日のブルームバーグテレビジョンの番組で「債券市場の弱含みを歓迎する。デュレーションが魅力的な世界であることに変わりはない」と述べた。
米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は、利下げに関して忍耐が必要だというメッセージを発信している。ボウマンFRB理事は10日、今年に入りインフレの根強さを示す指標が続いている点を指摘し、年内に利下げを開始することが適切になるとは思わないとの考えを示した。
今週発表のCPIが穏やかなものであってもFRBのスタンスは変わらないかもしれないと、HSBCの米州調査責任者、ダラ・マハー氏はブルームバーグテレビジョンで語った。
「市場は急変する。今年すでに何度もそうなっている。しかしFRBのガイダンスとしては、忍耐強く見守るという考えに固執するだろう」との見方を示した。