ビットコインキャッシュが上昇、ソラナは2位を不動のものに【マネックスクリプトバンク 格付けレポート 4月】
流動性リスク
次に項目別に注目すべきポイントを見ていこう。まずは流動性リスクからである。流動性は先月の相場の盛り上がり以降、安定的に推移しており全体的に得点をあげる銘柄が多かった。中でもNEARプロトコル(NEAR)やぺぺコイン(PEPE)は大きく得点が伸びた。NEARはNEARのアカウントさえあれば、ビットコインやイーサリアムなど主要なブロックチェーンでトランザクションに署名を書くことができる「Chain Signature」を先月ローンチし、話題となった。しかし、出来高は少しずつではあるが低下傾向にあり、価格も安定しない。またPEPEに関しても、ミームコインブームが一服してきた中で、PEPEが今後も現状のような流動性を維持できるのかには不安が残る。 一方、数少ない流動性の評価を下げた銘柄にはカルダノ(ADA)が挙げられる。価格は4月に入ってから単調に下落しており、出来高も1カ月前と比べると落ち込んでいる。詐欺プロジェクトの横行への懸念もあって出来高、コア開発者、TVLの三つが全て減少し、4月10日には3%も価格が下落した。過剰評価されすぎていたと市場が判断し、調整局面に入ったようだ。 今月はビットコインの半減期という一大イベントが控えており、この前後でも相場全体の出来高や価格が一定程度動く可能性がある。この動きが来月の格付けを大きく左右するだろう。どの銘柄まで半減期の影響が及ぶのかは、よく注意しておきたいところである。
投機リスク
投機リスクの観点でも多くの銘柄がプラスとなった。特に先述のTONは+330点という驚異的な上昇を見せた。一方、同じく先ほど登場したRNDRは270点マイナスとなり、これが総合評価を大きく下げる主因となった。 そんな中で見ておきたいのはBCHである。3月から4月2週目にかけてじわじわと価格を上げていった。3月末からの出来高急増で多くの買いが入ったことも一因だろう。これはBCHがBTCに先駆けて半減期を迎えたことによるものだ。2021年以来の最高値をつけたBCHだが、半減期後は建玉が減少し、価格も下げている。BTCとBCHのどちらを支持するかは熱狂的なユーザーにとっては非常に重要な問題であり、今回のBCHの半減期ラリーがBTCの半減期での相場に影響を及ぼすのではないかという意見も散見されている。実際、BCHのハッシュレートが下がっており、マイナーがビットコインのマイニングに移っている可能性が指摘されている。BTCの半減期を迎えるにあたって、ハードフォークした歴史を踏まえれば、BCHの状況も把握しておきたいものだ。