オリオンと2匹の犬たちがつくる夜空の「大三角形」
あなたはどんな犬が好きですか? 大型のゴールデンレトリバー、小柄なチワワなど色々な犬種がありますよね。冬の夜空には、とても見つけやすい大型犬と小型犬の星座が輝いています。星空の中、好きな犬を思い浮かべて一緒にお散歩をしてみませんか?
オリオン座を見つけたら、「お供の犬」も探してみよう
まずは大型犬、その名も「おおいぬ座」から見つけてみましょう。前回ご紹介したオリオン座の三ツ星をなぞって下に伸ばしていくと、明るくて青白い星が見つかります。それが一等星「シリウス」。星座の星の中では最も明るい星なので、すぐ目にとまるはずです。街明かりが少ない郊外なら、星を結ぶと「本当に犬の形をしている!」と感じられるわかりやすい星座です。シリウスはおおいぬ座の口元に輝く星なので、歯を出して笑っているのか、ニヤッとドヤ顔をしているのか……。そんな愛くるしい姿をぜひ想像してみてください。 続いては、小型犬の「こいぬ座」。シリウスを見つけたら、そこから目線を少し上げてみてください。明るい星が1つ見つかりませんか? それが一等星「プロキオン」。こいぬ座は、プロキオンとその近くにある二等星の星と結んで漢字の「一(いち)」の字が描けたら星座のできあがり。もうプロキオンがこいぬ座のすべてといってもよいです。とても簡単ですよね。 オリオン座が見つかれば、きっとこの2つの星座は見つけられるはずです。オリオンのお供の犬たち。みなさんはどんな犬を連れているように見えるのでしょうか?
日の出直前、東の空「シリウス」を見つけたら、夏がやってくる
おおいぬ座のシリウスの意味は、ギリシア語で「焼き焦がすもの」。たしかに、夜空を焼き焦がすようなギラギラとした輝きですが、もう一つ意味があります。 夏、シリウスは太陽とともに昇ってきます。だから、日の出直前の東の空にシリウスが顔を出すようになると、太陽とともに地上をギラギラと照らし、暑い夏をつくり出すと考えられていました。暑い季節の訪れを告げる星だったんですね。 英語でシリウスのことを「dog star」と呼び、真夏のことを「dog days」と呼ぶのもここから来ています。 また、こいぬ座のプロキオンは「犬の前に」という意味があります。「犬」とは、おおいぬ座のシリウスのこと。星が東の空から昇ってくるとき、シリウスよりもプロキオンの方が先に昇ってくるところからそう呼ばれています。夏の訪れを告げるシリウスが出てくる前ぶれとして大切な便りの星とされていたとか。 あの2つの星は、同じ犬つながりというだけではなく、合わせて覚えておくべき星たちだったのですね。