「60歳まで夢レーサー」「80歳まで夢芝居」SGチャレンジカップ直前ビッグ対談 片岡雅裕✕梅沢富美男
◆ボートレース下関SG「第27回チャレンジカップ」GⅡ「第11回レディースチャレンジカップ」(24年11月19日~24日) ボートレース下関のSG「第27回チャレンジカップ」とG2「第11回レディースチャレンジカップ」は19日から6日間の日程で開催される。芸能界きってのボートレースファンとして知られ、本紙コラム「夢舟券」でもおなじみの舞台俳優、梅沢富美男(74)が、昨年のSGチャレンジカップの覇者・片岡雅裕(38)=香川=と対談。お互いの夢を熱く語った。 縁ある香川支部 片岡 「梅沢さん初めまして。よろしくお願いします。ところで僕の事って知ってますか?」 梅沢 「もっちろんですよ! こんなすごい選手知らないわけがないですよ。ほんとうにどこのコースからでも1着が取れる、舟券に絡めるオールラウンダーですよね。 片岡選手からみて私はどんなイメージですか?」 片岡 「辛口なイメージ?(笑)。最近は子供たちがプレバトで応援しています」 梅沢 「口うるさいおじさんとして人気が出ましたけど、昭和の教育を受けているんでね。やっぱり礼儀作法とか、先輩への口の利き方とかにはうるさいですよね」 片岡 「僕は野球部だったので、そういう考え方は結構好きです」 梅沢 「ボートレーサーは修行中大変でしょう。養成所とか厳しいんじゃないですか」 片岡 「僕は養成所に入る前は自衛隊だったんで。そういうのは結構平気でしたね。逆に今の時代に合わせて会話するのは結構苦手ですね」 梅沢 「最近、劇場でもありましたよ。僕の舞台で、制作の子が『○○さんの舞台に行くのでお先に失礼します』というわけですよ。僕はその子は千秋楽までいると思っ てたからね。俺は(この舞台の)タレントのトップだぞ。いちいち、他のタレントのところ行くなんて報告すんじゃねーよって。言っていいことと、悪い事が分かってないんです よ。でもその辺は偉大な先輩が教えてくれたでしょ?」 片岡 「はい。森高(一真)さんとか…」(なぜか一同爆笑) 梅沢 「昔の先輩はすごかったよね。6コースからインに入って他の人のボート押すんだから。すごい時代でした。片岡選手がデビューした時は安岐(真人)さんは現役 だったんですか?」 片岡 「もう引退されてました。僕の頃は三嶌(誠司)さんですね」 梅沢 「三嶌選手もチャレンジカップ(2006年まるがめ大会)を勝ってますよね」 片岡 「はい。僕はSGに初めて出たのもチャレンジカップ(2013年津大会)で、その時は森高さんが優勝しました」 梅沢 「片岡選手は去年勝っているし、香川支部はチャレンジカップと縁がありますね」 「最高の選手!!」 梅沢 「さっき聞いたんですけど、片岡選手はデビューしてから17年間で3回しかフライングを切ってないんですよね。ボートレース業界としてはフライングが一番つ らい。そういう意味では片岡選手は最高の選手ですよ」 片岡 「ありがとうございます」 梅沢 「これはもう天性のものですね。役者でもセリフの間の悪い役者っているんですよ。片岡選手は天性の間のいい役者だな」 片岡 「ありがとうございます。僕は今38歳なんですけど、梅沢さんは38歳のころはどうでしたか?」 梅沢 「バリバリ売れてましたね。ただ、自分をほめるわけじゃないんだけど、テングになったことないんだよ。デビューも遅かったから。夢芝居が大ヒットしたのが3 2か33歳の時。紅白出場が33歳だったかな。それまで、どさ回りの三文役者って言われて、散々嫌な思いをしてきたからテングにならなかった。片岡選手もテングになってい ないでしょう」 片岡 「ここまで来られると思っていなかったので、テングになるというか、やりきった感の方が強いですね。最初SGを取った時は満足してしまって。2回目取った時 は、もうちょっとやれるんじゃないか、もっと上に行かないといけないと思いましたね」 梅沢 「その考え方いいですね。芸能の世界もてっぺんがないので。ボートの世界も同じで、てっぺんがないと思うんですよ。何百勝したから終わり、とかではない。だ からモチベーションが大事だと思うんですよ。2年連続で1億円レーサーになって、気持ちは変わりましたか」 片岡 「やり続けていかないとダメだなと思うようになりました」 梅沢 「1億円レーサーは金看板ですよ。いつも劇場を満員にする大看板。芸能もボートも頂点はお客さんですよ。ボートレーサーが稼げるのもお客さんが舟券を買って くれるから。だから選手も役者もお客さんを喜ばせないといけない。特にトップの選手はね」 片岡 「はい。そういうのが最近分かって来た気がします」 「10億円稼ぎたい」 片岡 「梅沢さんはなんでそんなに元気なんですか?」 梅沢 「今までしょってるものが大きかったから。兄弟は8人いて、劇団もやってたから食わせていかなきゃならない。2011年に兄貴が借金して10年間で10億円 返しましたから。そういうモチベーションがあったから老け込む暇がなかった」 片岡 「今の子を見てるとモチベーションが低いなって思うこともあって。育ってきた環境とかもあると思うんですよ。僕も親が農業をしていて、ちょっと傾いて苦労し た時期があったので。逆にそういうの良かったなって。今になって思いますね」 梅沢 「いや、苦労はね、若いうちにした方がいいですよ。それがあるから今も元気なんじゃないかな」 片岡 「僕も梅沢さんみたいに10年間で10億円稼いでみたいです」 梅沢 「いい目標だね。それやったら緩んでもいいよ(笑)」 片岡 「最後に梅沢さんの夢を聞かせてください」 梅沢 「もう74歳だから。そういうのは5年に1回にしてるのよ。70の時は75までやれたらいいな、と思ってたので、できれば、今のままで80歳まで元気にやれ たらいいなと思ってますよ。片岡選手の夢は何ですか?」 片岡 「いつまでも、長めにボートレーサーをやりたいですね。出来れば60歳近辺まで」 梅沢 「いけるんじゃないですか。きょうは本当にお会いできて良かった。とっても真面目だしファンになりました。連覇、応援しています」 片岡 「こちらこそありがとうございました。梅沢さんはすごく芯のある方で、パワーをいただきました。チャレンジカップ頑張ります!」 ◆片岡雅裕(かたおか・まさひろ)1986年2月11日、高知県生まれ。38歳。香川支部。101期生として2007年11月まるがめでデビュー。08年2月宮島で初勝利。09年3月平和島で初優出。10年3月まるがめで初優勝。22年8月浜名湖メモリアルでSG初優勝。昨年の三国チャレンジCを制しSGは通算2V。G1は1V。通算優勝は32回。生涯獲得賞金は7億627万2264円。趣味はサーフィンでふるさと黒潮町の観光大使でもある。155センチ、52キロ。血液型AB。 ◆梅沢 富美男(うめざわ・とみお)1950年11月9日、福島市生まれ。74歳。1歳7か月で梅沢劇団の初舞台を踏む。中学生で本格デビューを果たし、舞踊ショーの女形で「下町の玉三郎」の異名をとるスターとなる。2012年10月に同劇団の座長となる。歌手としても1983年、「夢芝居」が大ヒットし紅白歌合戦にも出場。近年はTBS系「プレバト!!」などのテレビ番組や、CMにも多数出演し、幅広く活躍している。
報知新聞社