若手俳優の躍動が素晴らしかった…ドラマ『マル秘の密子さん』の”本質”とは? 最終話考察レビュー
福原遥主演のドラマ『マル秘の密子さん』(日本テレビ系)が完結を迎えた。本作は、突然、大企業の大株主となった平凡なシングルマザー・今井夏と、突然彼女の前に現れたどんな依頼も叶える謎のトータルコーディネイター・本宮密子の物語。今回は、最終話のレビューをお届けする。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】 【写真】福原遥がとにかく美しい…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『マル秘の密子さん』劇中カット一覧
真犯人に追い詰められる密子と夏―――。
冴えないヘルパーだった今井夏(松雪泰子)が、敏腕トータルコーディネーター・本宮密子(福原遥)の手によって九条開発という大企業のトップまで昇りつめた『マル秘の密子さん』。さまざまな人間模様と権力争いを描いてきた本作は、最終的に落ち着くところに落ち着いた形で幕を閉じた。 夏に自身のすべてを奪われたと恨む美樹(渡辺真起子)は、夏を誘拐。状況を知った五十鈴(小柳ルミ子)は、美樹犯人説に消極的なだけでなく、密子がやったのではないかと言い出す。 なにかがおかしい。密子によって世界を変えてもらった夏の子どもたち・智(清水尋也)と彩(吉柳咲良)と、美樹の子どもたち・遥人(上杉柊平)と玲香(志田彩良)が団結する。千秋(桜井日奈子)と一緒に、もろ手を挙げて喜びたい気持ちになった。 智のもとに残された夏からの留守電を聞き、密子は書類に残されたメモに気付く。そして、犯人にあえて乗っかる形で夏の監禁場所までたどり着く。 美樹と手を組み、密子をさらった人物は、荻野目(石井正則)だった――。しかも、荻野目は五十鈴の隠し子で、美樹の異父兄にあたることが発覚する。九条の血が流れている自分が継承者になるのだと、美樹の犯行に見せかけて密子と夏の命を奪おうとする。
九条開発の最後
最後に話す時間をもらった密子と夏。これまでの感謝も織り交ぜながら言葉を投げ合う2人の手元には、夏が変わるきっかけをつくった“キツネ”が。 夏にとって最初こそ家族との幸せな時間を思い出すきっかけとなっていたアンカリングだが、いまではそこに密子の姿も浮かんでくる。もちろん、それは密子にとっても同様で、姉・鞠子(泉里香)との大切な思い出だけでなく、夏たちと過ごしたかけがえのない時間が加わっていく。 そして、荻野目に反撃。倒れた荻野目に密子はナイフを向けるが、「あなたにも家族がいる」と言って、トドメをさすことはできなかった。家族を失うつらさを誰よりも知っている密子だったからこそ、残される娘のことを思ってしまったのだろう。 ところが、荻野目に殴られて気を失っていた美樹が夏に襲い掛かる。かばおうとした密子が、背中を刺されてしまった。意識を失った密子は、夢の中で鞠子と会う。かき氷をつつきながら「今度はみっちゃんが幸せになる番。自分のために生きるの」と言われ、密子は無事に一命をとりとめるのだった。 結局、九条開発という会社は消滅。しかし、謙一(神保悟志)の遺志を継いで夏が実行にこぎつけたプロジェクトは別会社が引き継ぎ、智や彩もその会社で働くことになった。そして、夏は再びヘルパーに戻る。