鹿島の17歳FW徳田誉が大仕事!! 大一番で劇的同点J初ゴール、広島はパシエンシアが鮮烈デビュー弾も連勝7でストップ
[9.14 J1第30節 鹿島 2-2 広島 カシマ] J1リーグは14日、第30節を各地で行い、鹿島アントラーズとサンフレッチェ広島の上位対決は2-2の引き分けに終わった。前半早々に鹿島がセットプレーから先制点を奪い、そこから広島が新加入FWゴンサロ・パシエンシアのデビュー戦初ゴールなどで逆転に成功したが、鹿島は17歳のFW徳田誉が後半37分にプロ初ゴールとなる劇的同点弾。鹿島は優勝争いになんとか踏みとどまり、一方の広島は7連勝がストップした。 【写真】森保監督、スプリンクラーから子どもを助けて猛ダッシュ 首位の広島(勝ち点55)と4位の鹿島(同48、1試合未消化)の上位対決。ホームの鹿島はMF知念慶が3試合ぶりに復帰し、MF三竿健斗とボランチコンビを組み、MF柴崎岳がトップ下に戻った。対する広島は国際Aマッチウィーク中のルヴァン杯、天皇杯に敗退し、厳しい連戦中。元ポルトガル代表のパシエンシアが先発でデビューした。 序盤の主導権を握ったのは広島。前半開始直後、さっそく速攻から攻め込むと、CKからのクロス攻撃を展開し、MF松本泰志のクロスにパシエンシアが頭で合わせる。これはGK早川友基の正面を突いたが、さっそく鳴物入りで今夏新加入したストライカーが見せ場を作った。 さらに広島は前半4分、右サイドでパシエンシアが収めて時間を作ると、MF新井直人のクロスに飛び込んだパシエンシアがファーサイドで反応。惜しくも届かなかったが、波状攻撃につながり、今度は中野のクロスをパシエンシアが収める。しかし、左足シュートは早川のファインセーブに防がれた。 そうして迎えた前半17分、鹿島がセットプレーから試合を動かした。MF名古新太郎が右CKをゴール前に送り込むと、ニアサイドでMF知念慶が反応。強烈なヘディングシュートをゴール右隅に突き刺した。知念はこれが今季2ゴール目。ボランチ起用で新たな才能を開花させた29歳がビッグマッチで結果を出した。 それでも前半19分、広島もすぐに取り返す。左サイドのクロス攻撃で右CKを獲得すると、新井のキックにパシエンシアがゴール正面で反応。MF柴崎岳と競り合いながらも高い打点のヘディングで合わせ、来日初ゴールが貴重な同点弾となった。 その後は一進一退の攻防。前半21分、鹿島は右サイドバックのDF濃野公人が強引な攻め上がりからミドルシュートを放ち、GK大迫敬介に襲いかかる。すると同22分、このプレーで獲得した右CKを名古がゴール前に入れると、今度はDF植田直通が反応。1点目の知念と同様に完璧なインパクトで叩いたが、これは右ポストに弾かれた。 すると前半36分、広島が勝ち越しに成功した。左サイドでボールを持ったMF東俊希が左サイド裏へのパスを送り込むと、これに川辺が抜け出し、寄せてきたDF関川郁万の股を抜いてゴール前に打開。最後は鋭いグラウンダークロスを送り込み、反対サイドから飛び込んだ松本が押し込んだ。 そのまま2-1の広島リードで迎えた後半開始時、鹿島は三竿を3バックの一角、柴崎をボランチに下げる3-4-2-1のオプション布陣に変更。その後はシステム上の噛み合わせもあって落ち着いた展開が続く中、広島は同12分、鮮烈なデビュー戦となったパシエンシアに代わってFWドウグラス・ヴィエイラを投入した。 鹿島も後半14分、柴崎と師岡に代わってMF樋口雄太とMFターレス・ブレーネルを投入。同19分、ブレーネルが裏抜けからシュートを放ったが、試合を通じて再三FW鈴木優磨との熱いマッチアップを繰り広げていたDF荒木隼人にブロックされた。 押し込みながら試合を進める鹿島は飲水タイム明けの後半30分、名古とDF安西幸輝に代わって17歳の徳田とMF藤井智也を投入。J1リーグ戦4試合目でこの日が最も早い投入となった徳田は直後、186cmの長身を活かしてクロスに飛び込み、さっそく惜しい見せ場を作った。 すると後半37分、17歳が大仕事をやってのけた。鹿島は左サイドでブレーネルがタメを作って中に預け、鈴木がエリア内でうまくサポートしてつなぐと、徳田が佐々木を背負いながら右足シュート。GK大迫の手が届かないファーのコースに柔らかく流し込んだ。徳田はこれがJリーグ初ゴール。世代屈指のストライカーが優勝争いの大一番で貴重な同点弾を決めた。 その後は鹿島が速攻から、広島がセットプレーからチャンスを迎えたが、両チームとも決定機を活かせないままタイムアップ。2-2のドローに終わった。他会場で2位のFC町田ゼルビアが勝利したため、広島は首位から陥落。鹿島は4試合勝ちなし(2分2敗)ながらもなんとか勝ち点をもぎ取った。