度重なるケガから復帰したPGAツアーのルーキー、マイケル・ソービヨンセン
PGAツアーのアジア圏マーケティングディレクター、コーリー・ヨシムラさんがチョイスした記事や選手たちのストーリーをご紹介。今回は、注目ルーキー、M・ソービヨンセンの後編。
PGAツアーユニバーシティ1位の資格でプロの切符を手に入れたマイケル・ソービヨンセン。スタンフォード大2年を終えたばかりで出場した22年のトラベラーズ選手権、アマチュアとしてツアー史上2番目の好成績=4位に入った彼は、すぐにでもプロ転向するのでは? と思われました。しかし予想外のアクシデントに見舞われました。 スクーター事故に遭ったのです。事故後の当初は痛みに耐えながらプレーを続けていましたが、昨夏レントゲン検査を受けると背骨の骨折が発覚。2度目の優勝がかかった全米アマとセントアンドリュースで開催された欧米アマチュア対抗戦ウォーカーカップの出場辞退に追い込まれました。 ケガで休んでいる間、事故後に放置していた左足首の骨と腱の緩みを治す手術を受け、術後2週間は寝たきり。その後は患部を保護する頑丈なコルセットと歩行靴を装着したまま、本格的なリハビリを始めるまで2カ月も待たされたのです。 「息子は明らかに打ちのめされていた」と父は振り返ります。本人も「ケガをするといつもこう考えてしまいます。本当に復帰できるのだろうか? 自分の体はゴルフに向いていないのではないか、とまで思ってしまいました」
それでも地道にリハビリに取り組んだ彼は力強くカムバックを果たすのです。カレッジゴルフの大会で3試合目に優勝。Pac-12チャンピオンシップとNCAAリージョナルでトップ10入りし、PGAツアーユニバーシティ1位となったことで25年シーズン終了時点までの出場権を獲得したのです。 ツアーメンバーとなった今、ソービヨンセンは思うのです。「逆境が僕を強くしてくれた」と。
自らの最大の財産である体に費やす時間の重要性を教えてくれ、ショートゲームに取り組む時間を与えてくれた。ひと回りゴルファーとして成長できたのですから、まさにケガの巧妙です。もともと飛ばし屋でショットメーカーだった彼が、ショートゲームを磨くことで新たな活路を見出したようです。 「ずっと夢中でやってきたゴルフが今や自分のキャリアになっている。それがどれほど幸運なことかを噛み締めながら生きています」。今後の活躍に期待しましょう。 ※週刊ゴルフダイジェスト2024年8月13日号より(ARRANGE/Mika Kawano PHOTO/Getty Images) ※PGAツアーはBSJapanext(BS放送)、ゴルフネットワーク(CS放送)、U-NEXT(動画配信サービス)で毎週LIVE中継が見られます
週刊ゴルフダイジェスト
【関連記事】
- ドライバーで目標にまっすぐ構えるコツ、飛距離アップのための体の使い方をプロがイラストを交えて解説!
- “PGAツアーユニバーシティ”1位の資格でツアーメンバー入りしたマイケル・ソービヨンセン。早くも来季シード権を獲得、今後注目のひとり
- 【追悼・1985年坂田信弘の初マスターズ観戦記】西独の孤狼ランガーがオーガスタを制した。16番ホールに勝負の流れが見えた<最終日/勝機>
- 【追悼・1985年坂田信弘の初マスターズ観戦記】ノーマンとグラハムの“ケンカ”厳しい世界だな<土曜/闘志>
- 五輪男子ゴルフ解説で話題の佐藤信人は、藤田寛之の「YouTubeチャンネル」にドハマり! 「解説の勉強になります」【佐藤信人アイズ】