プーチン氏「核兵器」使用を匂わせ、日米韓は初の海保合同訓練…世界情勢を深掘り【WBS】
カメラが捉えた中国の実力行為
テレビ東京では2017年に南シナ海でフィリピンの漁師たちを密着取材。中国側の実力行為をカメラに収めていました。 フィリピンのルソン島から200キロほど西にあるサンゴ礁「スカボロー礁」。フィリピンの漁師が長年漁場としている場所です。しかし2012年に中国が実効支配を始め、この海の領有権を主張しています。 午前2時。 「チャイナ!チャイナ!」(漁師) 「急に船内が慌ただしくなっています。あちらのオレンジ色の光が中国の船だと言うことです」(中村航記者) 夜が明けると中国の船の姿がはっきりと見えました。船体には中国海警局の文字がありました。さらに1台の中国海警局のモーターボートが猛スピードで接近してきました。このときは一瞥し去っていきましたが、漁師は「水で攻撃してくることもある。本当に怖い」と話します。 実際、今年4月にもフィリピンの沿岸警備隊の巡視船が中国海警局から放水銃による被害を受けています。 中国の海での活動に対抗するには、各国が連携する“包囲網”が重要になります。 「いかにアメリカを中心とした同盟が有効であるかを示すことが日本にとっても重要な手段になる(「笹川平和財団」の小原上席フェロー) 一方フランスでは、第二次大戦でナチス・ドイツに対する連合国軍の勝利を決定づけたノルマンディー上陸作戦の80周年式典が開かれています。 アメリカ、イギリス、フランスなどおよそ20カ国の首脳が集結。さらに今回ウクライナのゼレンスキー大統領も招待され、現在の武器支援についても協議します。当時の敗戦国ドイツがいるのに、ともにナチスを倒したロシアは招待されず。世界情勢を反映した構図となりました。
ロシア経済フォーラム参加者に見る“経済の分断”
欧米が対決姿勢を強める中、ロシアで始まったのがサンクトペテルブルク国際経済フォーラムです。これはロシアへの投資促進を目的とした会議で、97年から開催されています。 ウクライナ戦争前の2018年には当時の安倍総理やフランスのマクロン大統領などG7主要7カ国の首脳や、当時IMF(国際通貨基金)の専務理事だったECBのラガルド総裁など西側陣営のリーダーも参加する重要な会議でした。 しかしウクライナへの軍事侵攻で欧米との対立が激しくなり、会議の風景は一変しています。 5日に会議の会場に姿を現したのは、アフガニスタンのイスラム主義組織「タリバン」の暫定政権の幹部らです。アフガニスタンからアメリカ軍を追い出し、今はロシアとの関係を深めています。 その他にも今回の会議には強権的な支配が批判されることもあるジンバブエのムナンガグワ大統領やボリビアのアルセ大統領など欧米以外の複数の政治リーダーが参加しています。戦争をきっかけにした政治の分断が、こうした経済の現場でも分断を生んでいることが改めてわかります。 7日には会議でプーチン大統領の演説も控えていて、さらに強硬な発言が出るのか注目されます。 ※ワールドビジネスサテライト