主将の涙に自身重ね 女子 元学法石川高(福島県石川町)陸上部 赤間記者 走る喜び、経験糧に
2019(令和元)年、学法石川高(福島県石川町)の選手として出場した高校3年生以来、5年ぶりに都大路を訪れた。福島民報社に4月に入社し、記者として初めて大会を取材した。中継所でカメラを構え、後輩たちがレースに懸けた思いに耳を傾けた。(本社社会部・赤間陽菜) 底冷えする師走の京都を走る選手たちの顔には汗が光り、仲間の思いがこもったたすきを胸に駆け抜けていった。女子第3中継所でファインダー越しに見た選手は笑顔で走り出していった。 2区円谷仁渚主将(3年)が「けがが多く走れない期間もあった。つらいことの方が多かったが、最後に主将として走れたことは良かった」と涙を浮かべた。1、2年生主体のチームで、3年生唯一のメンバー入り。12年連続で全国大会に出場し結果を求められる中で、最後は力強い走りでチームをまとめた。走れなかった同級生の思いを背負い、懸命に走った。 私は2年時に1区を走れたが、主将として迎えた3年時の大会では前日にオーダーから外れた。悔しかったが、選手の前では泣くことはできなかった。陸上部の門をたたいたのは都大路を走りたいという部員がほとんどだった。大所帯で他に走れない部員がたくさんいる中、主将が泣くわけにはいかなかった。
チームメートや家族、多くの人が見守る中、走れたのは幸せだっただろう。新聞などで取り上げられ、多くの人に応援してもらった。うれしかった経験を忘れず、選手を引退し今度は伝える側に回りたいと思い、記者を志した。結果の裏側にある選手の努力や思いを伝えていきたい。