大人も子供も楽しめる音楽劇『おはなしルルラン』。観劇初体験のお子さんにもおすすめ【下司尚実×たむらぱん×河野丈洋インタビュー】
――ここまでの稽古の感触、手応えはいかがでしょうか? 下司 (たむ)らぱんさんの演技力も素晴らしいですが、ひとつのものを、みんなで輪になって作ることを楽しんでくださっている姿勢が、今めちゃめちゃ私のエネルギーになっていて。もちろんお客さんに楽しんでもらいたいですが、らぱんさんにも「やって良かった」と思ってもらえるような、そういう地球に優しいゴールを目指していきたいです(笑)。 たむらぱん (笑)。私はお芝居が初めてなので、初日はめちゃくちゃ緊張しました。でもみんなすごく優しくて。音楽の現場って、こういう感じでみんなと作ることってあまりないですよね? 河野 ないだろうね。 たむらぱん だからすごく新鮮な面白さもあるんですけど、なんか羨ましさもあったりして。 河野 わかるわぁ。 下司・たむらぱん (笑)。 ――改めてたむらぱんさんにルルランをやってもらうことで、どんな魅力が加わったと思いますか? 下司 らぱんさんは思い切りがいいので、よりルルランがはつらつとなったと思いますし、かわいらしさも倍増していて。あと舞台のことがよくわかっていない感じが、この世界に初めて参加しているルルランと結びつく感じもいいなと思っています。 たむらぱん 確かに、よく“およよ”ってなっていますね(笑)。 ――ルルランを演じる上で、特に大切にされていることは? たむらぱん 今回私が見つけたひと言が“無邪気ってハード”って言葉で……(笑)。まぁ無邪気をやるっていうのはすごくエネルギーを使いますし、大人があれをやるのは本当に大変。きっと大人が見たら、子供っていう感覚を再確認出来ると思いますし、忘れかけていた純粋な気持ちを、ルルランから学べるんじゃないかなと思います。 ――この作品を通して、どういう時間、空間をお客様にお届け出来たらと思いますか? 河野 僕は初めて演劇を見たのが30歳ぐらいととても遅かったんです。で、初めて見た時、面白くてびっくりしちゃって。なんでこんなに面白いものを、自分はもっと早くから見てこなかったんだと。それくらいの体験を、この作品でも提供したいなと思いますね。 たむらぱん 私も初めての観劇体験は30歳を超えてからだったんですが、生身の人たちがやるエネルギーにものすごい衝撃を受けたのをよく覚えていて。もしこれが初めての観劇という方がいたら、ぜひそんな感覚を味わってもらいたいですね。 下司 いろいろな情報が手早く目に入るようにはなりましたが、生身の人間がなにかをするってこととは、ちょっと距離が出来ている気がするんです。でも役者の熱量と見ている人の想像力で、映像とは違う、奇跡的なことが起きる瞬間というのは必ずあって。きっと人生の彩りも豊かになっていくと思うので、そういったものを提供出来る時間になったらいいなと思います。 取材・文:野上瑠美子 写真:村上大輔 <公演情報> 泥棒対策ライト◎おとぎ話ダンス 音楽劇『おはなしルルラン』 公演期間:2024年7月18日(木)~ 2024年7月21日(日) 会場:シアタートラム