JX金属、磯原工場の半導体用スパッタリングターゲット生産で自動化プロセス相次ぎ導入。圧延や外観検査など
JX金属は、磯原工場の半導体用スパッタリングターゲットの生産プロセスで、新たな自動化プロセスの導入を進めている。圧延工程では画像認識技術を活用し、圧延対象物の円形を保ちつつ、自動で繰り返し圧延を可能とするシステムの開発を進めており、数カ月程度で完成させる見込み。圧延後は熱処理工程までAGV(無人搬送車)などでの自動搬送も視野に入れる。また、検査工程でも従来は人間が目視で行ってきた半導体用ターゲットの外観検査を特殊な照明とカメラで自動判定するシステムの導入も進める計画。 圧延工程では、円盤状の金属を圧延するが、最終製品である半導体用ターゲットの形に近い円形を保ちながら圧延する必要がある。従来は人の技術でその調整などを行ってきたが、自動化プロセスでは圧延対象物の形などをカメラが認識し、ロボットが自動で位置を変えるなどして圧延を行う。外観検査でも画像認識技術を活用した新システムの導入を計画する。現在は多種多様な金属の色などの画像データを取り込み、調整を行っている段階だという。人手のかかる検査工程を省人化することで生産性が向上するほか、顧客から品質に関する問い合わせがあった際に証拠となる画像を用いて説明ができるなどの利点もある。 同工場では、これまでも生産性向上や従業員の負担軽減、ヒューマンエラーの防止などに寄与する自動化プロセスの導入を積極的に進めてきた。ターゲットとバッキングプレートの接合部分を検査する超音波探傷検査は、ロボットによる自動化を実現し、夜間でも自動検査を行うことが可能となり生産性が向上した。また、製品に付けたシリアルナンバーを読み込むと出荷先などに関する情報や条件が案内される生産支援システムも導入されている。