【元公務員が解説】年金から引かれる4つの税金と保険料。「額面15万円」なら手取りはいくらになるの?
「額面15万」から天引きされたら手取りはいくらになる?
額面で15万円の年金を受け取っている場合を例に、税金や社会保険料の天引き後の手取り年金額を確かめてみましょう。 この記事では、札幌市在住の67歳の独身男性(年金月額15万円)をモデルに、天引き後の手取り年金額をシミュレーションします。 はじめに、モデル男性が年金から引かれる税金や社会保険料をおさらいしましょう。 引かれるものは以下のとおりです。 ・介護保険料 ・国民健康保険料 ・所得税(源泉徴収税) ・住民税 札幌市のホームページを見ると、モデル男性が年金から引かれる介護保険料と国民健康保険料は以下のとおりになります。 ・介護保険料:8万6588円(年額) ・国民健康保険料:6万6220円(年額) これを踏まえて源泉徴収される所得税を算出します。 ・源泉徴収税額=(180万円-15万2808円-162万円)×5.105%=1388円(年額) ※各種控除額については、基礎的控除のみを適用 最後に、住民税を算出します。 ・住民税=所得割:課税所得金額×10%=(180万円-110万円)×0.1=7万円 均等割・森林環境税:5000円 合計:7万円+5000円=7万5000円(年額) ※所得割110万円の減算は、公的年金等控除額 すべて足すと、年間で22万9196円が年金から差し引かれます。 モデル男性の年金は月額15万円ですから、年額180万円です。 差し引くと157万804円となるため、月額で約13万900円が手取り年金額となります。 額面で15万円の年金を受け取っていても、実際は2万円ほど引かれて支給されているのです。 年金からの天引き額は居住地や家族構成、年齢などによって変わります。 額面と手取り額には多少の差が生まれると考えておきましょう。
次の支給日は6月14日(金)!2024年度の年金額はいくら?
2024年度の年金支給日は、以下のとおりです。 ・2024年4月15日(月):2024年2月分・2024年3月分 ・2024年6月14日(金):2024年4月分・2024年5月分 ・2024年8月15日(木):2024年6月分・2024年7月分 ・2024年10月15日(火):2024年8月分・2024年9月分 ・2024年12月13日(金):2024年10月分・2024年11月分 年金は、毎年偶数月の15日に2ヶ月分がまとめて支払われます。 15日が土日祝日の場合は、直前の平日に支払われます。 2024年6月は、4・5月分の年金が支払われる予定です。 今年度から年金の支給対象となった人にとっては、初めての年金支給です。 また、2024年度の年金額は、月額で以下のとおり定められています。 ・国民年金:6万8000円 ・厚生年金:23万483円(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額) 年金額は毎年改定されています。改定のルールは以下のとおりです。 ・既裁定者:前年度改定率(再評価率)× 物価変動率 × マクロ経済スライド調整率 ・新裁定者:前年度改定率 × 名目手取り賃金変動率 × マクロ経済スライド調整率 ※既裁定者:68歳到達年度以後の受給権者 ※新裁定者:68歳到達年度前の受給権者 ※賃金変動が物価変動を下回る場合、既裁定者の年金額は賃金変動に合わせて改定 68歳になる年度を境に、年金額の算出根拠が変わります。 原則、既裁定者は物価変動を、新裁定者は賃金変動を考慮して改定しています。 年金額は物価や賃金の変動具合によって毎年決められているとおさえておきましょう。