東京・永見光太郎

＜第106回全国高校野球選手権大会東東京大会：東京5－0共栄学園＞21日◇5回戦◇大田スタジアム 【トーナメント表】東東京大会 結果一覧 　春季大会で、2試合連続完封に続き、二松学舎大附にも完投勝利を挙げ、一躍注目されるようになった東京の永見光太郎（3年）。 この夏も4回戦の立教池袋戦で7回コールドの参考記録ながらノーヒットノーランを達成している。5回戦は昨年の優勝校である共栄学園だ。この試合で永見は、さらに進化していることを実感させられる好投を繰り広げた。 　1回表、永見は、わずか6球で三者凡退に抑えた。2回表は安打と四球の走者を出したものの、危なげなく切り抜ける。 両チーム得点なく迎えた3回裏東京の攻撃で、4番で捕手の森田恭輔（3年）の左前適時打で1点を先制し、なお一、二塁のチャンスで永見がレフトへの二塁打を放ち2人が生還。自らの投球を楽にした。 　 永見は、相手に得点を与えないが、その一方で三振も少ない。春季都大会の二松学舎大附戦では奪三振7を記録したが、この試合では5回が終わった時点で三振が0であった。「力だけではない、投球術を勉強しました」と東京の松下浩志監督は言う。永見も、「なるべく打たせて取るように、コースを意識しました」と語っている。決して三振が取れないわけではない。9回表一死後、最後の2人は続けて三振で仕留めた。三振を狙っていたという。 　春は中1日で2試合連続完封に続き、二松学舎大附戦で完投した。この日も立教池袋戦から中1日の登板だが、同じ中1日でも夏は「疲労が違います」と語る。夏の猛烈な暑さに相手のプレッシャーもあり、投手のスタミナを奪う。そのための省エネ投法だが、それをこなすことで、永見の投手としての引き出しは確実に増えた。 　結局昨年優勝の共栄学園を被安打1の完封。奪三振は5だった。共栄学園の原田健輔監督は、「OBの大学生に（永見の武器である）カットボールを投げてもらい練習しましたが、うちの打線より、永見君が上でした」と語り、脱帽した。 　準々決勝は日大豊山と対戦する。春は4回戦で対戦し0－7で敗れている。春は二松学舎大附に勝利して、やや集中力が切れたところで、敗れた。今回は気持ちのゆるみはない。永見にとって、真価が問われる一戦になる。