高橋藍も西田有志も躍動 「最高峰」へ男子バレーSVリーグが好発進 渡邉晃瑠ら若い世代も台頭
バレーボール人気が上々だ。10月11日、日本国内の新リーグ、「SVリーグ」が誕生した。昨季まではVリーグが名称だったが、「S」がついた形となる。いったい、何が変わったのか。AERA2024年11月25日号より。 【写真】「昨季の最優秀新人賞を獲得した渡邉晃瑠」はこちら * * * SVリーグは「強く(Strong)・広く(Spread)・社会(Society)とつなぐ」ということをミッションに掲げ、2027年シーズンまでの完全なプロリーグ化、そして30年には世界最高峰のリーグになることを目指している。現状はプロチームに、まだ企業チームが混合している状態で、初年度は男子10チーム、女子14チームが参加して開幕した。 最近の人気を支えているのは男子バレーだ。パリ・オリンピックでは惜しくも準々決勝敗退に終わったが、石川祐希(イタリアのセリエA、ペルージャでプレー)、そして高橋藍(はしごだか)が実力だけでなくアイドル的な人気を博し、もっとも注目された競技のひとつだった。しかも彼らの人気は国内にとどまらず、タイでも大きな話題となっている。 ■開幕戦は地上波で中継 その人気を受け、サントリーサンバーズ大阪と大阪ブルテオンの開幕戦は、フジテレビ系の地上波で中継された。1980年代までは日本リーグが頻繁に中継されていたが、最後に地上波で放送されたのは10年4月。国内リーグがゴールデンタイムで放送されるようになったことに驚きを禁じ得ない。 また、観客動員も好調。11月3日に有明アリーナで行われたサントリー対東京グレートベアーズ戦の入場者数は1万1599人で、前身のVリーグ時代を含め、史上最多動員数を記録した。 人気の渦の中心にいるのは、昨季まではイタリアでプレーしていた高橋藍だ。今季から彼がサントリーと契約し、日本に戻ってきたことが地上波の中継、観客動員に結びついたと言っていいだろう。 当然のことながら、試合の質も重要で、開幕してからひと月、大阪ブルテオン、ジェイテクトSTINGS愛知が好調だ。 もともと、パナソニックを母体としていたブルテオンには、オリンピックで活躍したサウスポーの西田有志、ミドルブロッカーの山内晶大、リベロとして準々決勝のイタリア戦で、神がかり的なディグを連発した山本智大が在籍しており、戦力は充実している。